室内飼いしている犬やネコの体臭やトイレ臭を何とかしたい飼い主はたくさんいます。 一般に販売されている消臭スプレーを使用している家も多いのではないでしょうか? しかし実は消臭スプレーに含まれる塩化アンモニウムは犬やネコに有害だと言われています。 今回はペットに有害だといわれている消臭スプレーについてご紹介します。
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消臭スプレーの主要な成分って?
布製品に使用する消臭スプレーの主な成分には「トウモロコシ由来消臭成分・有機系除菌成分・水溶性凝集成分・香料・精製水」の5つに大きく分別できます。
犬やネコに有害な塩化アンモニウムは有機系除菌成分で、化粧品や薬用せっけんにも含まれている成分です。
トウモロコシ由来消臭成分は天然成分で直接害はなく、香料や精製水は舐めてしまっても洗い流せば問題ありません。
水溶性凝集成分は高分子ポリマーの1つで、ハウスダストを固める役目を担っており、掃除していれば自然と除去できるといわれています。
室内だけでなく車用など使用場所も多いですが、どの消臭スプレーも大体主成分は同じです。
今お使いの消臭スプレーには何が含まれているのか、今一度チェックしてみるのも良いかもしれません。
塩化アンモニウムの何が有害なの?
有機系除菌成分、つまり塩化アンモニウムはクォット(Quat)と呼ばれ第4級アンモニウム化合物で、逆性石鹸とも言われています。
石鹸と言っても洗浄能力はほとんどなく、通常の石鹸は水に溶かすとマイナスに帯電しますが、クォットはプラスに帯電する点が逆性と付く理由です。
カビや細菌はマイナスに帯電しているのでプラスに帯電したクォットが吸着し、カビや細菌の細胞構造を破壊し弱体化させて除菌します。
毒性が弱いので消臭スプレーに多用されていますが、副作用として過敏症状の湿疹などが現れるといわれています。
この点で犬やネコに有害だといわれているのかもしれません。
クォットは危険な物質なのか?
「湿疹などの過敏症状がでるのならクォットは危険な物質だ」と思われる飼い主さんがいるかもしれません。
しかしクォットが配合された製品は病院でも広く使われており、一概に危険とはいえません。
ただ、あくまでも化学物質ですので、アレルギー体質や過敏に反応する人の鼻の粘膜などに付着すれば強い過敏症状がでます。
雑誌の記事で肝臓疾患になったりペットが嘔吐したなど記載されていることがありますが、実際は科学的根拠が乏しいといわれています。
クォットの毒性を研究した本には、子供のマウスに毎日1.25mg/kgを経口摂取させると死亡率が増加するとあり、9kgの犬なら11.25mg毎日経口摂取させると健康を害する量になると記載されています。
消臭スプレーが危険と噂される理由とは?
消臭スプレーは布製品全体に吹き付けるので10mg以上を1か所に吹き付ける事はなく、例え吹き付けたとしても舐める段階で布が吸収してしまうので、ペットの体内へ入るのは微量です。
また10mg以上を直接経口摂取する事はないので、毎日消臭スプレーを使ったとしても問題ないといわれています。
しかし、大量摂取によって健康を害する、もしくは死亡率が増加するという事実が、消臭スプレーが危険だと言われる要因になっています。
最終的には飼い主さんの判断で使用するかどうかを決めることになるので、少しでも気になる方は控えた方が良いかもしれません。
また使用する場合も、なるべくペットの健康を考えるのであれば、なるべくペットから離れた場所で使うなど工夫することをオススメします。
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