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猫パルボウイルスってどんな病気!?発症すると約90%死亡するって本当?
- 2018年09月09日
- ペットの健康
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猫パルボウイルスという病気を最近ニュースで知った人も多いのではないでしょうか?
猫と暮らしている人は、まず気を付けたい病気のひとつでもあります。
ワクチン未接種の子猫が感染すると、100%死亡するといわれている非常に危険な病気でもあります。
別名、猫汎白血球減少症と呼ばれることもある猫パルボウイルスとはどのような病気なのでしょうか。
今回は、猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)という病気と感染経路、治療方法についてご紹介します。
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)ってどんな病気?
パルボウイルスというウイルスに感染することで発症する病気です。
発症すると、子猫だと約100%死亡することもあるといわれています。
成猫が発症したとしても90%の致死率、助かったとしても後遺症が残ることが多いといわれ、極めて危険な病気のひとつです。
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)に感染すると、白血球の減少や高熱、止まらない嘔吐、下痢などの症状がみられます。
消化器症状があらわれるのは末期症状といわれており、病気が発症し下痢が続くと、末期症状までもたず、数時間で亡くなることもあるのです。
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)の感染経路
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)の感染力は非常に強く、猫パルボウイルス感染中の猫に触れた手で健康な猫に触れるだけでも感染することがあります。
主な感染ルート
・感染している猫の糞尿
・ノミなどの外部寄生虫
・感染している猫とのケージ、トイレの共有
・飲水用の水の共有
・感染猫が口にした食べ残しのフード
・感染猫の毛やフケ
・感染猫が使用したベッドやクッション
・感染猫とのケンカ
・感染猫とのグルーミング
上記のようなルートでの感染がほとんどですので、愛猫と暮らしている人が愛猫以外の猫と触れ合うことは非常にリスクが高いのです。
また、猫をお迎えしたら元々外猫として暮らしていた猫だとしても、外に出さないことが愛猫を守るためにも大切です。
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)の感染症状
潜伏期間は1週間~3週間です。
40~42℃前後の高熱と元気消失、食欲不振、腹痛などがみられます。
腹痛のためにうずくまるような姿勢をとることがあります。
発熱から2~3日後には、水のような下痢と血便が続き、脱水症状がみられます。
嘔吐をしますが、食欲がなく食べられないので胃酸や胆汁(緑色)を吐くことがあります。
水を飲んだとしてもすぐに吐いてしまうため、無理やり飲ませようとしないでください。
吐きはじめてから数時間で命を落とすことも少なくありません。
治療方法
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)の症状がでた場合には、何か栄養がつくものも食べれず、水を飲んでも吐いてしまいます。
そのため、入院して点滴をしながらの治療になります。
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)と診断された時に使う薬の種類
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)と診断された時に必ずといっても過言ではないほど、使用する薬です。
この他の薬を使用する場合は、感染猫の病状の深刻具合により異なります。
・インターフェロン
インターフェロンを使用し、免疫力をあげます。
・抗生剤
インターフェロンか、抗生剤のどちらかになりますが、基本はインターフェロンと考えて良いでしょう。
・下痢止め
下痢は激しく体力を奪うので、下痢止めを使用します。
・嘔吐止め
水を飲んでも吐いてしまうため、治療中は絶食絶水になることもありますが、胆汁(緑色の液体)を吐くこともあるため嘔吐止めを使用します。
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)に感染しないためには
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)に感染しないためには、ワクチン接種をすることです。
猫用の混合ワクチンは、3種~7種までありますが3種以上の混合ワクチンを接種することで、防げる病気でもあるのです。
ワクチン証明書には、「猫パルボウイルス」ではなく「猫汎白血球減少症」と記載されます。
この混合ワクチンを接種したからといって、100%予防できるわけではありません。
ただ、感染したとしても比較的軽い症状で助かる可能性が高くなるのです。
次に気を付けるべきことは、不特定多数の猫がいる場所に行かないということです。
仕事上、ボランティア、など関わらなくてはならない人も多くいると思いますが、その際はくれぐれもウイルスを家に持ち込まないように消毒を行い、気を付けましょう。
感染した!?病院へ行く前に・・・
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)に感染したかも?!
今すぐ動物病院へ行かないと!
と思うかもしれませんが、猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)の症状が出た場合は事前に動物病院に電話連絡をしましょう。
動物病院が1番嫌う病気のひとつでもある、猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)は脅威の感染力をもっています。
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)に感染した猫が来院すると、空気感染をするため病院に来ている猫に感染してしまうリスクがあるのです。
動物病院は、猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)の猫が来院すると感染猫を迎える準備の他に院内全て消毒・殺菌を行わなければならないため、動物病院に断られる可能性もあります。
まとめ
「猫パルボウイルスってどんな病気!?発症すると約90%死亡するって本当?」はいかがでしたか?
ワクチン未接種の猫が感染すると、高い致死率をほこる猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)感染しないためにも1年に1度のワクチン接種は忘れずに行いましょう。
また、猫には猫のパルボウイルス、犬には犬のパルボウイルスがあるため猫から犬に、犬から猫に感染することはありません。
もちろん、人にも感染することもありません。
もし、愛猫と暮らしている人で不特定多数の猫と触れ合うような場所に行ったことがある場合は、動物病院に相談するのもおすすめします。
著者:miki.m
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