本日、7月6日はワクチンの日です。
1885年7月6日に狂犬病ワクチンが初めて9歳の少年に接種された記念日です。
今回は、ワクチンで防げる病気とワクチンの必要性をご紹介します。
ワクチンとは?
そもそもワクチンってなに?!
と、思う方もいるかと思いますので簡単なご説明です。
ワクチンは、感染症を予防するために使用するお薬です。
ワクチンを接種しておくと、病気にかかりにくくなるための免疫ができます。
また、病気になったとしても症状が軽度ですみます。
感染症から愛犬の体を守るためのお薬がワクチンです。
ワクチンで予防できる病気
ワクチンで予防できる病気は、いったい何種類あるのでしょうか?!
致死率が高い順にご紹介していきます。
狂犬病
日本では、1950年に狂犬病予防法が定められてから62年間発症していない感染症です。
狂犬病が発症すると致死率100%の病気です。
まさに狂犬のごとく凶暴化することが特徴で、飼い主が飼い主と認識出来なくなります。
人をはじめとした、すべての哺乳類に感染するため、日本では犬は義務化ワクチンと指定されています。
狂犬病の予防とワクチンをかかりつけ医で行った方が良いその理由とは?
犬ジステンパーウイルス感染症
初期症状で、40℃以上の高熱が続き目ヤニや鼻水が止まることなく続きます。
その後、食欲がなくなり、カッカと乾いた、からせきから嘔吐や下痢などの症状が起こります。
2次感染により肺炎を引き起こすこともあります。
命にかかわる危険な感染症です。
犬パルボウイルス感染症
細菌に感染してすぐに症状が出るわけではなく、1週間前後の潜伏期間があります。
激しい下痢や嘔吐により、脱水症状が見られます。
下痢は、水下痢でドロドロとした血が混じる血便をすることが特徴的です。
下痢や脱水の症状が進行すると、ショック状態から急死してしまうこともあります。
肺血症を引き起こすこともあります。
命にかかわる危険な感染症です。
犬伝染性肝炎
別名、アデノウイルスI型ともいわれます。
突然の嘔吐からはじまり、40℃以上の高熱と下痢、腹痛などの症状が続きます。
肝臓に炎症が起こっているため、肝臓が機能しなくなることにより、肝性脳症を引き起こすこともあります。
ワクチン未接種の犬や子犬、老犬が感染した場合は、命を落とすこともあります。
犬伝染性喉頭気管支炎
別名、アデノウイルスII型ともいわれます。
犬パラインフルエンザと同様の症状で乾いた、からせきから発熱と鼻水、くしゃみなどの症状が続きます。
扁桃腺炎を引き起こすこともあり、肺炎に陥ることもあります。
肺炎が悪化すると、命を落とすこともあります。
犬パラインフルエンザウイルス感染症
別名、ケンネルコフともいわれます。
犬伝染性喉頭気管支炎と同様の症状で、咳や発熱などの風邪のような症状が急に発生します。
お散歩後などのちょっとした運動した後に咳が増え、嘔吐をすることもあります。
安静にして栄養をとっていれば、1週間前後で回復することは多いですが、他の細菌に感染している場合や子犬や老犬が感染した場合には、肺炎を引き起こし、命を落とすこともあります。
犬コロナウイルス感染症(コロナウイルス性腸炎)
感染しても症状が現れにくいことが特徴的です。
症状が現れたとしても、軽い下痢や食欲の低下などです。
ただ、犬コロナウイルス感染症に感染している状態で他の感染症にかかると重篤化することがありますので、注意が必要です。
子犬や老犬が感染した時には、血が混じる下痢や嘔吐をすることがあります。
犬レプトスピラ感染症
路上や川、草むらなど、主にねずみの尿から感染する感染症です。
犬レプトスピラ感染症は、症状が全く現れない場合と嘔吐や血便を伴う下痢、40℃以上の発熱などの症状がみられる場合があります。
症状が重い場合は、感染症の発症から数時間で命を落とすこともあります。
特に危険な感染症
狂犬病は、日本では義務化されているワクチンのため全ての犬が接種しなければなりません。
他の感染症のワクチンは、任意ではありますが、犬ジステンパーウイルス感染症・犬パルボウイルス感染症・犬伝染性肝炎(アデノウイルスⅠ型)に関しては、感染すると命を落とす危険性が高いことから全ての犬にワクチンを接種することが進められています。
混合ワクチンの種類
混合ワクチンは、4種~10種まで種類があります。
動物病院で扱っていることが多いワクチンは、5種、7種、8種です。
混合ワクチン5種
・犬ジステンパーウイルス感染症
・犬パルボウイルス感染症
・犬伝染性肝炎(アデノウイルスⅠ型)
・犬伝染性喉頭気管支炎(アデノウイルスⅡ型)
・犬パラインフルエンザウイルス感染症(ケンネルコフ)
混合ワクチン7種
・犬ジステンパーウイルス感染症
・犬パルボウイルス感染症
・犬伝染性肝炎(アデノウイルスⅠ型)
・犬伝染性喉頭気管支炎(アデノウイルスⅡ型)
・犬パラインフルエンザウイルス感染症(ケンネルコフ)
・レプトスピラ感染症(2種類分のお薬)
混合ワクチン8種
・犬ジステンパーウイルス感染症
・犬パルボウイルス感染症
・犬伝染性肝炎(アデノウイルスⅠ型)
・犬伝染性喉頭気管支炎(アデノウイルスⅡ型)
・犬パラインフルエンザウイルス感染症(ケンネルコフ)
・犬コロナウイルス感染症(コロナウイルス性腸炎)
・レプトスピラ感染症(2種類分のお薬)
ワクチンの必要性
ここまで読んでいただければ、ワクチンの必要性は十分理解できるのではないでしょうか?
ワクチンは、予防だけでなく感染してしまった場合も重篤化しないようにする役割もあります。
持病がある場合やアレルギー体質の犬の場合は、かかりつけ医の先生と相談の上、ワクチン接種を行いましょう。
まとめ
「7月6日はワクチンの日!ワクチンで防げる病気とワクチンの必要性」はいかがでしたか?
感染症になってしまうと、命を落とすことも多く犬自身も辛い想いをしてしまいます。
可能な限り、感染症になるリスクを抑えてあげましょうね。
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