兄弟犬が発症していると、リスクは16倍以上に
ペット保険のアニコム損害保険株式会社(代表取締役 野田真吾)と、理化学研究所(理事長 松本紘)の共同研究チームは、2,000頭以上の犬を調査した結果、家庭犬として最も人気のあるトイ・プードルに多発する病気「膝蓋骨脱臼(※1)」の発症に、遺伝的な影響が強く関与するという研究結果を発表しました。本研究結果は、「The Journal of Veterinary Medical Science」に掲載されています(※2)。
※1 小型犬に多く見られる膝の病気で、膝蓋骨が外れることによって、ひざの痛みや、時に骨の変形を生じさせる。若齢期から発症することが多く、根治的な治療は手術等が行われる。
※2 J Vet Med Sci. 2019 Apr 16;81(4):532-537 doi: 10.1292/jvms.18-0485. Epub 2019 Feb 12.
■調査背景と対象動物
膝蓋骨脱臼は、小型犬に多く発生し、根治的な治療は手術が選択されます。このため、どうぶつ・飼い主双方への負担は大きく、小型犬における膝蓋骨脱臼について解明を進める意義は大きいと考えられます。今回の研究では、日本における人気犬種である9犬種(トイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンド、柴、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、マルチーズ、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー)、計2,048頭の子犬(0歳齢)を対象に、膝蓋骨脱臼の大規模調査を実施しました。
■有病率は、トイ・プードルがトップ。約7頭に1頭が発症
今回調査した9犬種2,048頭のうち、膝蓋骨脱臼の発生が最も多い犬種は、トイ・プードルで、有病率(その病気を持っている割合)は14.4%と、約7頭に1頭が本疾患を持っていることが明らかとなりました。
今回調査した9犬種2,048頭のうち、膝蓋骨脱臼の発生が最も多い犬種は、トイ・プードルで、有病率(その病気を持っている割合)は14.4%と、約7頭に1頭が本疾患を持っていることが明らかとなりました。
■トイ・プードルには、遺伝的な影響も明らかに
トイ・プードルでは、ある子犬が膝蓋骨脱臼を発症した場合、一緒に生まれた兄弟犬も膝蓋骨脱臼になるリスクは、発症した兄弟犬がいない場合にくらべて16.2倍も高かったという結果から、遺伝的な関係性が近いほど膝蓋骨脱臼になりやすいと考えられます。以上より、トイ・プードルの膝蓋骨脱臼は、子に遺伝していることが示唆されます。
■本研究結果を経て
本研究において、トイ・プードルの膝蓋骨脱臼には遺伝的な影響が強いことが明らかとなりました。しかしながら、遺伝病を減らしていくためには、原因遺伝子の特定や、それらを踏まえた遺伝子検査の普及と適切な交配計画等といった更なる研究と施策の実施が望まれます。
アニコムグループでは、引き続き、こうした遺伝病に対する研究等の取組みを進め、どうぶつたちの命を守る活動を続けてまいります。
配信元企業:アニコム損害保険株式会社
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