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<ペットの健康管理に関する実態調査>コロナ禍で、ペットに関連して不安を感じる人は7割 ペットとの暮らしの満足感が増した方は4割も!

ペットの予防医療の啓発・普及活動を展開する獣医師団体(一社)Team HOPE(チームホープ、代表 太田亟慈) では、犬と猫の飼い主・ご家族(以下、ご家族と表記)412 名を対象に、「ペットの健康管理に関する実態調査」を実施いたしました。この調査は 2016 年から毎年実施し、2020年12月で5 回目となります。

今回の調査では、トピックスとして、昨年からの新型コロナウイルス感染症の流行が、ペットとの暮らしにどんな影響を与えたかについて調べ、ペットとの暮らしの中での意識の変化や新しい生活習慣が生まれていることがわかりました。
また、コロナ禍においても、長く人生を共に歩む家族の一員として、人間同様にペットに定期的な健康診断を受けさせるご家族は増えていて、しかも1年に2回以上健診を受診するペットが増えていました。犬や猫は、ヒトの4倍以上のスピードで歳を重ねるため、1年に1回だけの健康診断では決して十分な回数であるとはいえません。年に2回以上の健康診断を受けさせているご家族が年々増えていることは、健康管理の意識の高さの現れと考えます。Team HOPEでは、健康診断を定期的に受けさせることで疾病の兆候を早期発見することが、ペットの健康寿命の延伸には不可欠と考えています。

調査結果

  • 新型コロナウイルス感染症流行の中で、ペットに関するご家族の不安では、「自分が感染した時の治療中に、誰がペットの面倒をみてくれるか」40%、「ペットに新型コロナウイルスが感染するのではないか」 39%。ペットに関して何も不安のない方は3割にとどまり、7割の方が不安を抱えている。
  • コロナ禍の中で、ペットと触れあえる時間が増た方が4割。ペットと暮らすことへの満足感や愛情が増した方が4割。その一方で、人込みにペットを連れていく頻度や、散歩以外で屋外・アウトドアに出かける頻度が減った方が2割いる。ペットとの暮らしの中でも、意識の変化や新しい生活習慣が生まれている。
  • 定期的な健康診断を受診させているご家族は 、4割をキープ。(5年前は3割)
  • 定期健診の頻度は、定期健診受診ベースで 2 回以上は44%で、ここ4年で 14%伸長!
  • 健康診断で受診している項目は、問診・触診・視診が 8 割以上。聴診と血液検査は 6 割。泌尿器や消化器、内臓疾患の早期発見に役立つ、尿検査、便検査、レントゲンは 2 割弱の受診にとどまる。この傾向は2016年からの調査開始以来変わっていない。
  • 健康診断についての考え方では、「手頃な価格なら健診を受けさせたい」47%、「お金がかかっても健康のために定期的に健診を受けさせたい」43%と二極化が続く。「手頃な価格なら健診を受けさせたい」は5年間継続して増加している。

今回の調査によって、主に次のことが明らかになりました。
□新型コロナウイルス感染症流行の中で、ペットに関するご家族の不安では、「自分が感染した時の治療中に、誰がペットの面倒をみてくれるか」40%、「ペットに新型コロナウイルスが感染するのではないか」39%。
ペットに関して何も不安のない方は3割にとどまる。しかし、不安を感じているのにもかかわらず、ペットの預け先を考えている人は、12%にとどまる。

コロナ渦において、ペットに関する不安

自分が感染した時に、ペットの預け先や離ればなれになってしまうことへの不安を漠然と感じている人は多い。治療後も後遺症でお世話ができないのではと心配している人が2割いる。
治療中のペットの預け先などを事前に考えておくことの必要性や、犬猫の感染例は世界的に見てもほとんどないことなどご家族の不安を解消する情報発信が今後も継続的に必要である。
※Team HOPE 新型コロナウイルス関連 ペットの健康相談室 http://teamhope-f.jp/covid19.html

□不安が大きいコロナ禍の暮らしの中で、ペットとの暮らしの意識や生活習慣に変化が生まれている。ペットと触れ合う時間や愛情、ペットと暮らすことの充足感が増した人が4割。その一方、ペットを連れて人込みやアウトドアに出かける頻度が減り、ペット周りの除菌・清掃の頻度が増えるなど、生活習慣にも変化が!
家で過ごす時間が増え、精神的なストレスも多いコロナ禍で、ペットとの暮らしが精神的な癒しになっている傾向が見られた。散歩の頻度や時間は増している中、人込みやアウトドアに積極的に出かける頻度は減っている様子が伺える。ペットとの暮らしにも、新しい生活習慣が生まれていると言える。

コロナ渦での、ペットの暮らしの変化

□コロナ禍でも定期的な健康診断を受診させているご家族は4割をキープ。
定期的に受診させているご家族は 2015 年 31%⇒2020 年 39%に伸長している。(犬 44%・猫 34%)
受診経験はある人を含めると78%が健診経験がある。今後は犬と比べて動物病院に連れて行きにくい猫の健診受診の啓発が課題である。

健康診断 受診状況

□年に2回以上健診を受けている方は44%と4年で14%伸長!
年に 2 回以上健診を受けている方は 44%(2017 年 30%)に伸長し、年に 1 回程度の54%に迫る勢い。
犬や猫はヒトの4倍以上のスピードで年を重ねることから、7 歳以上のペットは年に 2 回以上の健診受診を Team HOPEではすすめている。

健康診断 受診頻度

□問診・触診・視診は 8 割以上が受診。聴診と血液検査は 6 割程度。泌尿器や消化器、内臓疾患の早期発見に役立つ、尿検査、便検査、レントゲンは 2 割程度の受診にとどまる。
健診の受診項目で受診が多いのは、問診 85%、触診85%、視診 81%。血液検査60%、聴診 57%と続く。腎疾患や泌尿器疾患、糖尿病等を発見するための尿検査は16%、消化管内の寄生虫の有無や、消化管内の出血や 消化状態を診るための便検査は 17%、肺や心臓、内臓の異常を診るためのレントゲン 17%という実施状況であった。この傾向は5年間変化がない。問診・触診・視診・聴診・血液検査・尿検査・便検査・レントゲン検査の 8 項目は、大切なペットの全身の健康状態を正しく把握するためにぜひ受診してほしい項目であると Team HOPE はすすめている。
※Team HOPE健康診断解説動画 http://teamhope-f.jp/healthexam/exam.html

検診内容

□ペットの健康診断についての考え方では、「手頃な価格なら健診を受けさせたい」47%、「お金がかかっても健康のために健診を受けさせたい」43%と二極化。「手頃な価格なら健診を受けさせたい」は5年間増加中。
健診意識の高まりは継続している中で、「手頃な価格なら受けさせたい」方と、「お金がかかっても受けさせたい」方が拮抗し、二極化している。その中でも、「手頃な価格なら受けさせたい」方は、2016年42%から、年々増加してきている。「ペットに健診は必要ない」という方はほぼいない。

ペットの健康診断についての考え方

<今回の調査について> Team Hope 代表犬山動物総合医療センター 代表
獣医師 獣医学博士 D.V.M. Ph.D 太田亟慈

獣医師 獣医学博士 D.V.M. Ph.D 太田亟慈

私たちTeam HOPEの調査では、コロナ禍でペットに対する愛情や触れ合う時間が増えた方が増え、ますますペットが家族の一員という存在になっていることがわかりました。長く一緒に人生を歩む家族の一員として、人間同様、ペットに健康診断を受けさせている方も年々多くなっていて大変喜ばしく思っています。犬や猫はヒトの4倍以上の早さで歳をとるので、年に 2 回以上、健康診断を受診することをお勧めします。その際には、ぜひ項目にも注意していただき、「全身の健康状態」を把握できる健診を受けてください。獣医療の進歩により、潜在的な疾患の可能性や各器官の機能異常も知ることができ、早期に対処ができるため、重症化を防ぎ、健康寿命を延ばすことにつながります。またコロナ禍でご家族さまは様々なご不安を抱えていらっしゃいますが、そういう時はぜひかかりつけの動物病院にご相談ください。獣医師やスタッフが、ご希望や生活スタイルに応じて適切にアドバイスをいたします。私たち動物病院は、皆さんのペットとの心地よい暮らしに様々な形で寄り添ってまいります。

<調査概要> 調査方法:インターネット調査
1)調査対象者:犬、猫のご家族 412 名(全国、20 歳以上)
内訳 犬のご家族 206 名(最年長の犬の年齢 7 歳未満 103 名、7歳以上 103 名)
猫のご家族 206 名(最年長の猫の年齢 7 歳未満 103 名、7歳以上 103 名)
2)実施期間:2020 年 12 月 8 日~9 日

<一般社団法人 Team HOPE> http://teamhope-f.jp/
全国の獣医師・動物病院が Team となって、ペットの予防医療と健康管理の普及・啓発活動を推進し、ペットにやさしい社会の実現を目指すプロジェクト。全国 2100を超える病院が賛同している。

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