ペット業界の経営者にせまる プレミアムなペット情報サイト

過去のニュースリリース

<猫のトイレに関する好みを調査>猫が好むトイレ容器の大きさと猫砂の種類があることを確認

ライオン商事株式会社(代表取締役社長・川島 元樹)は、東京猫医療センターの服部 幸院長と共同で、猫にとって快適なトイレ環境に関する実態調査を行い、猫が好むトイレ容器の大きさ、並びに猫砂があることを確認し、2020年2月に開催された「第16回日本獣医内科学アカデミー学術大会」で発表しました。

<実態調査の背景>
猫の問題行動として、トイレ外での排泄等が挙げられます。その原因として、「トイレ容器の大きさ」やトイレに使用する「猫砂」の種類の影響が指摘されています。

そこで当社は、これらの要因に着目し、猫にとって快適なトイレ環境について調査しました。

<調査結果>
■調査結果(1):横幅50cm以上のトイレ容器における猫の排泄回数が7割強を占めることを確認

奥行きと高さを固定し、横幅をそれぞれ(1)40cm、(2)50cm、(3)60cmに設定した3種類のトイレ容器(図1)における、猫の排泄回数をカウントしました。調査用のトイレ容器には鉱物系の猫砂を用いました。また、調査用のトイレ容器が猫のストレス因子にならないよう、調査を行った各店舗で通常使用されている猫砂とトイレ容器を1セット設置しました。

調査の結果、横幅40cmのトイレ容器での排泄回数は39回(総排泄回数に占める割合は16.9%)、50cmでは82回(同35.5%)、60cmでは83回(同35.9%)となりました。また通常使用しているトイレの排泄回数は27回(同11.7%)でした(図2)。この結果から、横幅50cm以上のトイレ容器における猫の排泄回数が全体の7割強を占めることが確認されました。
<猫のトイレに関する好みを調査>猫が好むトイレ容器の大きさと猫砂の種類があることを確認
図1. 調査に使用したトイレ容器
図2. トイレ容器の大きさと排泄回数

■調査結果(2):鉱物系の猫砂が最も猫に好まれることを確認

次いで、鉱物系、木系、紙系(いずれも尿を吸収して固まるタイプ)の3種類の猫砂(図3)を用いて、猫のトイレの排泄回数をカウントしました。調査用のトイレ容器は、店舗ごとにすべて同じサイズのものを使用しました。

その結果、鉱物系の猫砂での排泄回数は258回(総排泄回数に占める割合は54.2%)、木系では152回(31.9%)、紙系では66回(13.9%)となりました。この結果から、鉱物系の猫砂が猫に最も好まれることがわかりました(図4)。
鉱物系の猫砂が最も猫に好まれることを確認
図3. 猫砂の種類(いずれも当社製品)
図4. 猫砂の種類と排泄回数

<まとめ>
本調査結果から、猫が横幅50cm以上(猫の体長の1.5倍程度(※1))のトイレ容器を好む傾向にあること、また猫砂の種類では鉱物系のものを好むことが明らかになりました。

(※1) 猫の体長は今回の調査対象の猫のうち、無作為に抽出した11頭の平均胴長である33.6cmとした

【調査設計 詳細】
■調査(1):猫が好むトイレの大きさの調査
調査期間:2019年3月25日(月)~5月22日(水)の期間内の3日
調査場所:東京都内の猫カフェ3店舗
     このうち2店舗では休業日の昼から翌日にかけて調査を実施。
     残る1店舗では営業時間内の昼から夕方かけて調査を実施。
調査対象:各店舗で飼育されている計78頭の雑種猫
調査方法:
各店舗内のフリースペースに横幅が異なる3個のダンボール製トイレ容器を設置し、猫の排泄回数を比較。ダンボール製トイレは奥行きと高さを固定し、横幅をそれぞれ(1)40cm、(2)50cm、(3)60cmに設定した3種類を使用。
環境条件:
・猫砂は鉱物系(尿を吸収して固まるタイプ)を使用、トイレ容器の猫砂は深さ5cm分とした。
・使用経験のない猫砂やトイレ容器の設置による環境変化が猫のストレス因子とならないよう、各店舗で通常使用されている猫砂とトイレ容器を1セット設置。
・ダンボール製トイレ容器と猫砂は、調査日が変わるたびに新品に取り替え。
・通常使用されているトイレ容器の猫砂は、猫カフェのスタッフが通常の方法でトイレ容器の清掃と猫砂の交換を実施。
・調査開始とともにフリースペース内を無人にし、予め設置したビデオカメラにより猫の排泄行動を記録し(図5)、調査終了後に録画映像を確認し排泄回数をカウント。
・トイレ容器の設置の並び順は、位置による影響を排除するため、毎回位置を入れ替えし、それぞれのトイレ容器における3日間の排便回数と排尿回数の和を排泄回数とした。

図5. ビデオカメラによる猫の排泄行動の記録
ビデオカメラによる猫の排泄行動の記録

■調査(2):猫が好む猫砂の種類の調査
調査期間:2019年7月29日(月)~10月16日(水)の期間内の3日
調査場所:東京都内の猫カフェ4店舗
     営業終了後の夜から翌日の休業日にかけて調査を実施。
調査対象:各店舗で飼育されている計46頭の雑種猫
調査方法:
各店舗内のフリースペースに、横幅48~60cm、奥行き32.5~44cm、高さ20~21cmのポリプロピレン製トイレ容器を3個設置し、それぞれのトイレ容器に鉱物系、木系、紙系(いずれも尿を吸収して固まるタイプ)の猫砂を1種類ずつ入れ、排泄回数を比較。
環境条件:
・トイレ容器の大きさは、店舗ごとに統一。
・猫砂の量は、各トイレの深さ5cm分。
・猫砂は、調査日が変わるたびに新しく入れ替え。
・トイレ容器の設置の並び順は、位置による影響を排除するため、毎回位置を入れ替えし、それぞれのトイレ容器における3日間の排便回数と排尿回数の和を排泄回数とした。

なお、本研究に関する内容は以下の学会で発表しました。

「第16回日本獣医内科学アカデミー学術大会」発表概要
◎発表日 2020年2月22日(土)
◎会場  パシフィコ横浜
◎演題  猫が好むトイレ用砂(猫砂)およびトイレ容器の大きさに関する検討
◎発表者 井上 悠美 1)、田中 里実 1)、松田 悟 1)、窪田 真理 1)、
     尾本 典隆 1)、中村 恒彰 1)、服部 幸 2)
     1) ライオン商事株式会社、2) 東京猫医療センター

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP