猫砂の選び方
愛猫の好みに合った猫砂を選ぶ
猫を飼う際に必ず必要になるのがトイレ用品です。その中でも猫砂は、さまざまな種類があり、どれを選んだら良いのか、どれがおすすめなのかがわからないという方が多いのではないでしょうか。
猫には自分のおしっこやうんちの臭いを隠したいという本能があり、猫砂に強いこだわりがあります。せっかく用意しても愛猫が使ってくれなければ意味がありません。猫には素材や粒の大きさによって好き嫌いがあり、誰かのおすすめは必ずしも愛猫の好きなものとは限りません。いろいろ試して、愛猫の好みに合った猫砂を選びましょう。
複数の猫砂を用意する
愛猫の好みがわからない場合は複数の猫砂を用意します。最初は安価なものでいいので、違う種類の猫砂が入った容器を並べて反応を見ましょう。猫が気に入れば毎日使うようになり、好みがわかります。
システムトイレには専用の猫砂が必要
猫砂は大きく分けて、固まるタイプと固まらないタイプがあります。
固まるタイプは、昔からあるシンプルな容器に入れて使います。一方の固まらないタイプは、システムトイレに入れて使います。システムトイレとは、主に、すのこで仕切られた二層構造の容器のことで、上には砂を下には引き出しがあり、専用シートを敷いて使います。
システムトイレは掃除の手間がかからないのがメリットですが、使いたがらない猫もいます。そこで、慣れるまでは従来のトイレに固まる猫砂を入れたものを用意しましょう。
ゴミに出すことを考えて猫砂を選ぶ
猫砂は使ったあとの処分まで考えて選びましょう。鉱物系の猫砂の処分方法は、お住まいの自治体によって異なります。不燃ゴミとして出せる自治体もありますが、リサイクルセンターに持ち込む必要がある自治体もあります。使用済みの猫砂は、毎日出るゴミなので処分方法を確認しておきましょう。
猫砂の素材ごとのメリット・デメリット
鉱物系の猫砂
鉱物系の猫砂は、ベントナイトやゼオライトといった粘土鉱物から作られ、自然の砂に近いのが特徴です。これには、固まるタイプと固まらないタイプがあります。
・メリット
固まるタイプは、ほかの素材よりもよく固まり、スコップですくう際に崩れにくいので、掃除が楽なのがメリットです。一方の固まらないタイプは、おしっこを吸わないので洗って再利用が可能です。
どちらも脱臭力に優れているので、排泄物の臭いが気になりません。安価な製品が多く、コストパフォーマンスに優れているのもメリットです。
また、鉱物系の猫砂は最も自然の砂に近いので、初めてトイレを使う猫におすすめです。特に、外で暮らしていた猫が好む傾向にありますので、拾ってきた猫にトイレをしつける際は鉱物系の猫砂を使うといいでしょう。
・デメリット
素材が石なのでとにかく重く、持ち運びが不便なのがデメリットです。米袋と同等の重要感がありますので、力のない女性は購入だけでなく容器に入れるのも一苦労です。
また、猫が砂をかいたときに砂埃が舞い上がって空気を汚してしまうのもデメリットです。閉めきった室内では舞い上がった砂埃を吸うことで呼吸器を悪くするおそれがあります。さらに、素材は石であるため可燃ゴミとして出すことができません。処分方法は、お住まいの自治体によって異なるので確認しておきましょう。
木系の猫砂
ヒノキを始めとする天然木をチップに加工しているのが特徴です。主に家具を作る際に余った木材を使っているのでエコで環境にやさしい猫砂です。これには、固まるタイプと固まらないタイプがあります。
・メリット
木材のさわやかな香りが心地よく、脱臭・消臭効果に優れています。鉱物系よりも軽いので、持ち運びしやすいのもメリットです。
もちろん100%植物性素材ですから、可燃ゴミに出すことができますし、自然に土に還るので庭に埋めることも可能です。ちなみに、最近では水洗トイレに流せる製品が増えています。
・デメリット
木系の猫砂は使っているうちに粉状態になって、凝固力が落ちるのがデメリットです。やや湿気に弱いので、梅雨の季節は砂の劣化が早く気になることがあります。
また、比較的軽いので、粒が小さいタイプは飛び散って掃除が大変です。飛び散りが気になる方は粒が大きいペレットタイプを選びましょう。
紙系の猫砂
再生紙から作られる環境にやさしい猫砂です。ほとんどが固まるタイプですが、一部には固まらないタイプもあります。
・メリット
最大のメリットは軽さです。ほかの素材よりも圧倒的に軽く、女性でも軽々と持ち運びできます。また、安価な製品が多くコストパフォーマンスに優れているのもメリットです。
さらに、当然ながら紙でできているので可燃ゴミとして捨てられますし、トイレに流せる製品も多いので処分に手間がかかりません。
・デメリット
紙系の猫砂は軽いので、とにかく飛び散りやすく掃除が大変です。また、紙なので湿気に弱いのが欠点で、梅雨時や湿度が高い場合は砂の劣化が早く、おしっこの臭いが残ってしまうことがあります。
さらに、ほかの素材よりも水分をたくさん吸うので、塊が大きくなってしまうのもデメリットです。これらのように砂の消耗が激しいので多頭飼いの場合は、たくさん用意する必要があります。
おからの猫砂
大豆から豆乳を作る際に出る搾りかすであるおからを活用したエコで無駄のない猫砂です。ほとんどが固まるタイプです。
・メリット
おからの猫砂は、とにかくよく固まるので、掃除がしやすいのがメリットです。加えて、おからなので可燃ゴミとして捨てることができ、トイレに流せる製品も多いので処分に手間がかかりません。安価な製品がほとんどでコストパフォーマンスに優れているのもメリットです。
・デメリット
独特のおからの臭いがするのがデメリットです。飼い主さんが気にならなくても、猫は嗅覚が鋭いので、おからの臭いを嫌って使いたがらないことがあります。
しかしながら、強い臭いではないので使っているうちに慣れていきます。臭いが気になるときは感触が似ている木系の猫砂と混ぜて使いましょう。
ほかにもコーンスターチやデンプンを凝固剤に使っているので、固まりがゆっくりなものが多いのもマイナスポイントかもしれません。紙砂ほどではありませんが、あまり湿気に強くないのもデメリットです。
シリカゲルの猫砂
シリカゲルは地殻成分に含まれるケイ素から作られる化合物であり、乾燥剤として使われる素材です。ほとんどがシステムトイレ用の固まらないタイプです。
・メリット
シリカゲルは吸着力と乾燥力に優れた素材であり、尿と臭いを吸着して水分だけを通し、ウンチを乾燥させます。下にシートを敷いて使うシステムトイレに最適な猫砂です。
さらに、脱臭力に優れているので、閉めきった室内でも排泄時の嫌な臭いが気になりません。脱臭・消臭効果が1か月ほど続くので、小まめに砂を補充する手間が要らないのがメリットです。
・デメリット
シリカゲルは脱臭力が優れているとは言え、時間が経つとどうしてもその効果が弱くなります。また、長期間使用すると独特の臭いが発生することがあります。
また、鉱物であるため燃えるゴミに出せないのもデメリットです。さらに、ほかの猫砂に比べて高価な製品が多く、1か月に1回程度は砂を全取替えするのでランニングコストが気になります。
猫砂のまとめ
以上のように、猫のトイレとして使う猫砂にはさまざまな素材があり、それぞれにメリット、デメリットがあります。
しかしながら、使うのは猫自身です。誰かのおすすめだから、人気だからといって愛猫が気に入るとは限りません。好きでもないものを無理に使わせるのではなく、できるだけいろいろなタイプを愛猫に試させ、猫自身のお気に入りを選ばせてはいかがでしょうか。
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