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ペットの健康

犬のフィラリア症。命取りにも繋がる恐ろしい病気の正しい予防法とは?

春の始まり(4~5月)になると、フィラリア予防について、動物病院からお知らせが送られてくる家庭も多いのではないでしょうか?

蚊が出現し始める4月にフィラリアの駆除薬を犬に与えていませんか?
それは、間違った知識ですよ!

フィラリア(犬糸状虫症)とは?

フィラリアは、和名正式名称「犬糸状虫」という名の心臓に寄生する寄生虫です。
このフィラリア(犬糸状虫症)によって引き起こされる病気名をフィラリア症と呼びます。

フィラリアは、犬の心臓(大動脈)に寄生し、全身の血液循環や肝臓・膵臓・腎臓などの体内至る箇所に悪影響を及ぼす危険な寄生虫です。
フィラリア予防をしていないと、命を落とす危険性もあります。

犬だけが感染対象と思われがちですが、猫や人も感染することもあります。

フィラリアの感染経路は?

フィラリアは、蚊の媒介によって感染します。
フィラリア症(陽性)の犬の体内で、フィラリアの子ども(ミクロフィラリア)は増殖されますが、蚊の体内で成長する過程があります。
そのため、蚊だけが媒介になり得るのです。

フィラリアに寄生されるまで

①フィラリア症(陽性)の犬には、心臓にフィラリアが寄生しています。
②心臓でフィラリアは、子どもを産み増殖します。
③フィラリアの子ども(ミクロフィラリア)は、心臓から血管を巡り体内の血液中に泳ぎます。
④蚊に吸血されるまで血管内で待ちます。
⑤蚊がフィラリア陽性の犬の血を吸い、ミクロフィラリアは、蚊の体内に入り込みます。
⑥ミクロフィラリアは、蚊の体内環境の中で成長し、蚊の口先(吸血針)で待機します。
⑦ミクロフィラリアを体内に持った蚊が犬の吸血をすると、ミクロフィラリアは犬の体内(血液中)に入り込みます。
⑧体内に入り込んだミクロフィラリアは、犬の体内を巡り、成長をしながら血液中を巡り心臓へとたどり着きます。

このような感染経路で、フィラリアは犬の体内に入り込みます。
フィラリア症が確認されるまで、数年(1~3年)ほどかかる場合もあります。

フィラリアの予防

フィラリアの予防には、基本的に投薬になります。

フィラリアの予防薬

フィラリアの予防薬は、基本的に3種類ですが、その中でもノミダニ退治を一緒に行えるものや回虫・鉤虫・鞭虫も駆虫が可能な薬もあります。

・飲み薬(錠剤・ジャーキータイプ等)
・滴下薬(スポットタイプ)
・注射薬

飲み薬の中でも1番人気なものは、チュアブル錠です。
お肉のジャーキータイプで、おやつ感覚で与えることが出来る為、犬にも飼い主さんにも負担は少ないことが特徴です。

予防薬を与えているから。
と、油断しがちですが、飲み薬や滴下薬は、1ヶ月間体内で効き続けているわけではありません。
体内に入ったであろう、ミクロフィラリアを1ヶ月に1回の薬でザーッと洗い流すイメージが正しいかもしれません。

注射薬は、副作用が強く現在はほぼ扱われてはいません。

フィラリアの予防期間

予防薬を与える時期は、蚊が発生した1ヶ月後~蚊がいなくなってからの1ヶ月後までです。
2018年関東の場合、5月投薬開始~12月投薬終了予定。

全国、蚊が発生する時期は異なります。

沖縄など暖かい地域は、相当早くから蚊が発生するため、投薬期間が上記記載より早くなります。
北海道など涼しい地域では、蚊の発生が遅れるため、投薬期間が短くなります。

最後の1ヶ月後が1番大切な投薬でもありますので、予防薬はしっかり与えましょう。

フィラリアの血液検査

フィラリア予防の前には、血液検査を行いますよね。
なぜ血液検査を行うか、知っていますか?
血液検査をすることで、フィラリア症に感染していないかどうか調べる必要があります。

毎年、フィラリア予防をしていたとしてもこっそり犬が予防薬を吐き出していたり、下痢などお腹を下している関係で、予防薬を体内に吸収してない場合などもあります。

フィラリア症に感染していることに気付かず、予防薬を投与すると、大動脈症候群という急性症状やショック状態を引き起こすこともあります。

肺動脈にフィラリアが詰まり、最悪死に至る事もあるため、フィラリア症に感染しているかどうかを検査することは重要です。

フィラリア症に感染している時の症状

では、犬がフィラリア症に感染している時には、どのような症状が出るのでしょうか?
ミクロフィラリアが体内に入った場合は、症状は全く現れずどんなに犬の様子を観察していても気付くことができません。
心臓に寄生し、ミクロフィラリアが増殖されない限りはなかなか検査をしたとしても判断が出来ないのです。
寄生されてから数年(1~3年経過)経つと、様々な症状が出始めます。

症状一覧

・呼吸が荒くなる
・空咳を繰り返す
・毛艶が悪くなり、毛がパサパサする
・腹水(お腹に水が溜まる)
・足が急に太くなり、むくむ
・元気、食欲の消失
・お散歩や運動を嫌がる
・急激に痩せる
・失神
・呼吸困難
・喀血(血を吐く)
・血尿

急激に痩せてくる、血尿などが発生している場合は、早急に治療を始めないと亡くなる事もあります。

フィラリア症の治療法

フィラリア症に感染してしまうと、うちの子(犬)が死んでしまう!!
と、慌てる飼い主さんが多いことも事実です。

確かに心臓に寄生する恐ろしい寄生虫ではありますが、治療法がないわけではありません。
治療法は内科療法と外科療法、対処療法に分けられます。

長期の治療になることもあるため、その子(犬)その子(犬)に合う治療法を見つけることが最良の道です。

内科療法

薬のみだけで少しずつフィラリアの成虫を駆除していく治療です。
ただ、療法期間が何年かかるか不明な点はあります。

また投薬量が少しでも間違えると、死んだフィラリアが血管に詰まる、ショック状態を引き起こすこともあります。

外科療法

外科手術により、心臓や大動脈に寄生したフィラリアを摘出します。
急性状態や大動脈症候群などの緊急の場合のみ手術は行われます。

ただ、心臓を直接触る手術になるため、若い犬のみに限られ、手術の難しさから二次診療の動物病院でしか出来ないこともあります。

対処療法

対処療法は、老犬の場合など内科療法・外科手術などが危険と判断された場合などに適応されます。
フィラリア症の直接的な治療は、積極的に行わずその時々の症状に合わせて処方食や薬などを与えます。
腹水が溜まらないようにする、咳を減らす、などあくまで犬が苦しまないようにするための治療法です。

心臓や内臓、血管などに負担を掛けないように運動やお散歩を控えめにする場合もあります。

あくまで、療法内容は参考程度に獣医師の先生と相談して愛犬の性格や体調を考慮して、治療内容を決定してくださいね。

まとめ

フィラリアは、なんとなく予防をしている、という人が多く命にまつわる重要な病気とは認識されていないことが現状です。
しっかりと、フィラリアの血液検査を行って予防をしましょう。

フィラリアの予防薬は、現在ネットでも沢山出回っていますが、本来獣医師が処方しなければ購入が出来ない薬です。
事故を防ぐためにも、必ず動物病院で購入をしましょう。

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