シーズーの特徴や性格、飼い方

シーズーと言えば、鼻べちゃで垂れ耳、コロンとした体型が特徴的な小型犬です。また、穏やかな性格と相まって、日本の住宅事情にマッチし、とても人気のある犬種と言えます。

そんなシーズーの歴史や特徴、性格、飼い方についてご紹介します。シーズーを飼っている人はもちろん、これからいっしょに暮らしたい、飼えないけどもっと詳しく知りたいという方、ぜひお読みください。

シーズーの特徴や性格を知ることで、配慮すべき環境や注意点を把握し、より良い飼い方を考える一助としてお役立ていただければと思います。

犬種 シーズー
英語表記 Shih Tzu
原産国 チベット(中国)
サイズ 小型犬

目次

シーズーの歴史

シーズーの起源

シーズーの起源は諸説ありますが、もっとも有力な説は、次のようなものです。

チベットのラマ教徒によって大切にされていた「ラサ・アプソ」という犬がいました。ラマ教はライオンを神聖視しており、その犬の風貌はライオンに似ていた(ライオンドッグ)のです。その高貴なライオンドッグを唐の時代(600年ごろ)、密接な関係にあった中国の宮廷に貢物として献上しました。そのライオンドッグと中国の宮廷で神聖な犬として寵愛されていた「ペキニーズ」と交配して作られたのが、「シーズー」とされています。その後もシーズーは中国の宮廷で大切にされ、中でも西太后(1835年~1908年)は寵愛したようです。

シーズーの名前は、中国の皇帝たちから崇高な生き物として、「ライオン(獅子)に似た犬(狗)」を表す「獅子狗(シーズーコウ)」と呼ばれるようになったことに由来します。

1912年の辛亥革命により清朝が崩壊すると、宮廷で飼われていた犬のほとんどが殺されてしまいました。しかし、当時は、宮廷外でも買われており、1930年、外国人高官が飼ってたシーズー数頭をマデリン・ハッチンズが引き取り、イギリスに連れて行ったと言われています。

また、1932年には在中国のオランダ公使だったカウフマン夫妻がノルウェイに赴任する際に、中国から3頭のシーズーを連れていったようです。その後、生まれた子犬をノルウェイのマウド(英名:モード・オブ・ウェールズ)女王が、祖国イギリスのヨーク公夫人(エリザベス2世の母)に贈ったことで、シーズーはイギリス王室から寵愛を受けることになりました。

ヨーロッパへと渡った当初は、見た目の特徴がラサ・アプソと似ているということから同犬種と見なされ、「アプソ」というひとつのジャンルとして扱われていました。しかし、1935年にイギリスでシーズークラブが設立すると、正式な単独した犬種として登録されます。その後、アメリカで1969年、日本では1963年にJKC(ジャパンケンネルクラブ)に犬種登録をされました。

シーズーの特徴

シーズーの特徴

見た目と身体の特徴

丸く愛らしい目をしたシーズーは、鼻がぺっしゃっとつぶれた短吻種(たんふんしゅ)に分類されるマズル(鼻口部)が短い犬種です。

小柄ですが骨太で筋肉質な体をしており、脚は太く短め、体長と体高がほぼ同じ長さのスクエアな見た目をしています。

シーズーの被毛

寒冷地であるチベット原産のシーズーは、寒さから身を守るため、オーバーコートは滑らかな手触りの長く豊かな毛で覆われ、アンダーコートはふわふわとしたやわらかな毛が密集しているダブルコートが特徴です。

シーズーの大きさ(体重と体高)

シーズーの大きさは、オス、メス共に体重は4~8kg、体高は20cm~28cmほどです。

シーズーの性格

賢く聡明

シーズーは、一途な性格でとても賢い犬種として知られています。一度覚えたことは忘れることがありません。しかし、一方で最初のしつけ方を間違えてしまうと、しつけ直すことが大変難しいので、しつけには十分に気を付けてください。

穏やかな性格

シーズーは、とても穏やかな性格をしており、日向ぼっこをしたり、ソファーでくつろぎながら寝たりなど、日常を穏やかに過ごすことが多く見られます。そのため、一緒に過ごす飼い主や家族の癒しとなってくれる犬と言えるでしょう。

警戒心が強い性格

シーズーは賢く穏やかである反面、警戒心が強く頑固なところもあります。初対面の人や見知らぬ犬に対して、飼い主を守ろうと威嚇してうなることがありますが、よほど身に危険を感じない限り、かみつくような攻撃的な行動はしません。

遊び好きな性格

シーズーは、とても遊びが好きな犬種でもあります。運動能力は高くありませんが、散歩や広い公園などでは元気いっぱいに走り回ります。また、その遊び好きな性格から、スリッパを始め、おもちゃになりそうなものをボロボロになるまでかんでしまうことがありますので、やって良いことと悪いことをしっかりと教えてあげる必要があります。

シーズーの毛色

シーズーの毛色

シーズーは、あらゆる毛色が公認さています。日本では、次に挙げるような2色を組み合わせたパーティーカラーが主流です。

  • ゴールド&ホワイト
  • ブラック&ホワイト
  • グレー&ホワイト

また、海外ではソリッドカラーと呼ばれる単色も見られますが、国内では非常に珍しい存在です。

  • ゴールド
  • ブラック
  • ホワイト
  • ブルー
  • シャンパン

シーズーの飼い方

シーズーのしつけは、初めが肝心

シーズーは、穏やかな犬ですので一緒に暮らしていると、つい甘やかしてしまうことも多くなってしまいます。
しかし、賢い犬でもありますので、一度わがままになってしまうと、しつけを直すことがとても難しくなってしまします。ですので、最初のしつけの際に手を抜かず、褒めながら教えることが大切です。

被毛の手入れと温度管理を忘れずに

長毛でダブルコートのシーズーは、皮脂が比較的出やすい犬種です。被毛のケアをしっかりしてあげないと、皮膚病になる可能性が高まりますので、毎日のブラッシングは欠かさずしましょう。

スリッカーブラシで抜け毛を取り除き、コームで毛を整えてあげるといいでしょう。また、定期的なシャンプーやトリミングも必要です。

また、シーズーの特徴であるダブルコートの長毛ですが、保温性が高い反面、体温を下げることがとても苦手です。そのため、夏場はクーラーをつけて室温を管理することが重要です。被毛を短く刈り込むサマーカットと呼ばれるスタイルにするのもいいでしょう。

運動

シーズーは犬の中でも太りやすい体質なので、最低でも朝夕2回はしっかりと散歩をし、時々、広い場所で思いっきり走らせてあげるようにしましょう。

また、日々の食事やおやつなどにも気を遣って生活することが大切です。

シーズーのかかりやすい病気

シーズーのかかりやすい病気

アトピー性皮膚炎

シーズーは、アトピー性皮膚炎を発症しやすいと言われています。

症状は、顔や耳、脇の下や下腹部、指の間の皮膚が赤くなり、かゆがってなめたり、かいたりします。また、湿疹が出ることもあります。特に、シーズーに多いのは、外耳炎です。慢性化し、一度治っても症状を繰り返すため、完全に治ることはなく、一生涯つきあっていく病気です。できるだけ症状が軽いうちに気が付き、対処してあげることが大切です。

角膜炎

シーズーは、異所性睫毛(本来のまつ毛が生える場所とは異なる場所に生えること)、眼瞼内反(逆まつ毛のこと。まつ毛が何らかの原因で内側を向いてしまう)などが多く、これらが原因となって、角膜が刺激され角膜炎が起こりやすい犬種です。

角膜炎は、目が激しく痛むため、目を開くことができなくなったり、前足で目をかいて目を気にしたりといったしぐさが見られるようになります。また、涙や目やにが多くなり、目の結膜が真っ赤に充血するといった症状が見られます。

目はとても繊細な部位ですので、このような症状やしぐさを発見した際は、すぐに動物病院を受診するようにしてください。悪化すると、失明する恐れがあります。

緑内障

シーズーは、緑内障を発症することが多いと言われています。

緑内障とは、眼圧が上がることで目が充血、瞳孔が開いたままになり、角膜が浮腫を起こして青灰色に見える病気です。症状としては、目の痛み、まぶたの痙攣、涙が出る、食欲がなくなる、嘔吐などが挙げられます。

基本的には点眼による治療ですが、気が付くのが遅くなり、重症になると手術が必要になりますので、定期的に目の検査をしましょう。

進行性網膜萎縮

進行性網膜萎縮は、シーズーの遺伝性疾患であり、遺伝性網膜変性といわれる病気です。

進行性網膜萎縮とは、網膜の細胞が少しずつ萎縮していくため、急に目が見えなくなるわけではないのですが、徐々に視力が低下していき最終的には失明してしまいます。

歩いていても物にぶつかることが多くなった、薄暗くなると動きが鈍くなったなどの行動が現れたら、この病気にかかっている可能性があります。すぐに動物病院で検査してもらうようにしてください。

シーズーの平均寿命

シーズーの平均寿命は14~15歳です。しかし、中には20歳まで長生きをしたシーズーもいます。長生きしてもらうために、日々の食事や運度に気を付けてあげることが大切です。

シーズーの価格相場

シーズーの平均価格は10~20万前後です。しかし、スタンダード(犬種毎の理想像をまとめたもの)に近いシーズーや両親の血統によっては値段が高くなることがあります。

シーズーを飼っている有名人

  • 松田聖子
  • 坂上忍
  • 松本幸四郎・松たかこ親子
  • 柳原可奈子
  • ウェンツ瑛士

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