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猫の毛色や模様の種類とは? それらを決める遺伝子と呼び名について
- 2020年05月21日
- 猫の種類
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猫の毛色や模様の決まり方
猫の毛色や模様にはいろいろな種類があり、親子や兄弟で異なることは珍しくありません。「両親の毛色がブルーなら、子どもにもブルーが遺伝されるはず」と、ついそう考えてしまいがちですが、実は違います。
猫の毛色や模様を聞ける遺伝子座
猫がどの毛色、どの模様になるのかは、「遺伝子座」という染色体の一部で決まります。猫の遺伝子座は以下の9種類です。
W(ホワイト=白)
O(オレンジ=茶)
A(アグーチ=1本の毛に縞が入るパターン)
B(ブラック=黒)
C(カラーポイント=顔や足など体の末端に色が入るパターン)
T(タビー=縞模様)
I(インヒビター=シルバーが出るパターン)
D(ダイリュート=薄まったカラー)
S(スポッティング=体の一部を白くなるパターン)
9種類の遺伝子座に加えて、優性遺伝子と劣性遺伝子の組み合わせで、どの遺伝子が強く出るかが決まり、毛色と模様が決まります。
猫の毛色の種類と名前
猫の毛色には、主に以下の種類があります。
ホワイト
優性遺伝子によって生まれる毛色であり、親猫がどちらも白猫でなくても白い子猫が生まれる可能性があります。
ブラック
優性遺伝子によって生まれる毛色です。キャットショーの世界では代表的なカラーであり、光沢があり白い毛が混じらないのが良いとされています。
チョコレート
B遺伝子の劣性遺伝子から生まれた毛色です。ダークチョコレートのような褐色とブラックの中間の色合いです。
ブルー
実際には完全な青ではなくグレーがかったシルバーブルーです。これはブラックがダイリュート(希釈)して生まれたためです。
レッド
レッドといっても完全な赤ではなく、ブラウンがかっています。オレンジと呼ばれることもあります。
クリーム
レッドがダイリュートして生まれたカラーです。ベージュに近い薄いクリームからオレンジがかった温かみのあるクリームまで、さまざまなバリエーションがあります。
ライラック
淡いピンクが入ったグレーのことです。この呼び名は植物のライラックに由来しています。ふじ色っぽい明るめの猫が生まれることもあります。
シナモン
香辛料のシナモンに由来する独特の茶色が特徴です。ブラックの遺伝子が突然変異して生まれた珍しい毛色です。
フォーン
ピンクがかったベージュのことです。シナモンがダイリュートして生まれた珍しい毛色です。
猫の被毛の模様(パターン、柄)
代表的な被毛の模様(パターン、柄)は、ソリッド、パーティーカラー、タビー、ポインテッド、トーティーです。
ソリッド
ソリッドとは単色のこと、ひとつの毛色のみで構成される被毛のことです。見る角度や光の当たり方によって、色が微妙に変わって見えることがあります。
パーティーカラー
にぎやかそうな名前ですが、英語で「parti color」と書き、雑色、斑(まだら)を意味します。簡単に言うと、複数の毛色をもつ猫のことです。パーティーカラーは以下の3種類に分かれています。
バイカラー
ホワイトとそのほかのカラーを組み合わせた、ふたつの毛色で構成される被毛のことです。全体の1/3~1/2がホワイトであることが認められる条件です。
キャリコ
3つの毛色で構成される被毛のことで、日本で言う三毛猫です。ブラック、レッド、ホワイトの組み合わせが一般的ですが、「ダイリュートキャリコ」と呼ばれるブルー、クリーム、ホワイトの組み合わせも存在します。
ホワイトが入る場合は、トーティー&ホワイトと呼ばれることもあります。なお、キャリコのほとんどはメスであり、オスが生まれる確率は3万匹に1匹程度です。
バン
頭部と尾にのみカラーが入り、全身のほとんどをホワイトが占めている被毛のことです。なお、バンとはターキッシュバンという猫種に由来していますが、そのほかの猫種でも見られます。
タビー
タビーとは縞模様のことです。イエネコの祖先はリビアヤマネコですが、野生では周囲に溶け込んで身を隠す必要があります。縞模様をもつ猫が多いのはカモフラージュに最適だからです。タビーは主に以下の4種類に分かれています。
クラシックタビー
両脇腹に黒い大きな渦巻き模様が入っているのが特徴です。ほかにも肩には蝶の羽のように見える模様が、額にはM字模様が描かれ、尾には細かなリングが入っています。
クラシックタビーは、アメリカンショートヘアの代表的な模様であり、写真や映像などで一度は目にしたことがある方が多いのではないでしょうか。
マッカレルタビー
細かな黒のストライプが縦に入り、途切れのない細いラインが背に沿って走っているのが特徴です。
スポテッドタビー
タビーのストライプがぷっつり切れていて、楕円、丸型、またはバラの花のような無数のスポットがボディに描かれているのが特徴です。
パッチドタビー
タビーにレッドやクリームの毛が混じった、パッチワークのような模様が特徴です。トーティータビーと呼ばれることもあります。
ポインテッド
シャムやラグドールによく見られる、頭、四肢、しっぽなど体の末端に色が付いた被毛のことです。以下の3種類に分かれています。
ソリッドポイント
体の末端のポイントカラーが1色のみです。
リンクスポイント
ポイントカラーの中に縞模様が入っています。
トーティーポイント
ポイントカラーに赤と黒が入っています。
トーティー
レッドを作り出すO遺伝子と、その劣性遺伝子の組み合わせで生まれるのがトーティーです。トータシェルと呼ばれることもあります。一般的に赤と黒がモザイクのように混じり合った被毛のことで、日本で言うサビ猫です。
また、ブルーとクリームの毛が混じり合ったブルークリームもトーティーのひとつです。ブルークリームは、ブラックがブルーに、レッドがクリームに置き換わり、独特の淡い色合いを作り出しています。
珍しい模様
このほかに1本の毛に複数のカラーが入った珍しい模様が存在します。
ティップド
毛の大部分は、ホワイト、またはホワイトに近い明るい色合いで、毛先にのみカラー(ティッピング)が入っているのが特徴です。光にあたるとキラキラ輝いてよく目立ちます。
シェーデッド
上毛と下毛に分かれたダブルコートの猫に見られる模様です。下毛のほとんどがホワイトであり、上毛は半分がホワイトで残りの半分以上にティッピングが入っているのが特徴です。
全体的にホワイトの量が多いことから、上毛のティッピングは色素がより多く、色が濃く見えます。猫が動くと上毛の間からホワイトの下毛が見えてよく目立ちます。
スモーク
上毛と下毛に分かれたダブルコートの猫に見られる模様です。
上毛のほとんどにカラーが入り、色素が沈着していることから色が濃く見えます。一方、下毛は比較的明るい色合いであり、歩くと上毛の間から明るい下毛が覗いておしゃれです。ブラックスモークやブルースモークなどのバリエーションがあります。
ティックド
ティッキングは周囲に溶け込み身を隠すカモフラージュの役目を果たします。ティックドは、1本の毛に色が薄い部分と濃い部分が交互に入った織物のような模様で、迷彩色のように人目につきにくくする効果があります。
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