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ラグドールの飼い方の注意点
- 2019年10月25日
- 猫の種類
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ラグドールに適した環境で飼う
マンションや戸建てを問わず、ラグドールのために広々としたスペースを確保する
ラグドールは体重9kgを超える個体も珍しくない大柄な猫です。狭い住宅環境では、どうしても運動量が不足してしまいます。運動不足に陥ると体重増加によって足腰に負担がかかり、「関節炎」や「椎間板ヘルニア」の原因になります。
そこで、室内でも十分に運動できるように、広々としたスペースを確保しましょう。ラグドールは都会の狭いマンションよりも郊外の広い一戸建てのほうが飼育に適しています。
しかし、一戸建てでなくてもラグドールの飼育は可能です。マンションの場合は、家具や家電製品を片付けてスペースを確保したり、使わない部屋を猫専用に確保するといいでしょう。
家の中を自由に移動できるように工夫する
広いスペースを確保しても家の中を自由に移動できないと、ラグドールに限らず猫はストレスに感じてしまいます。猫はテリトリー意識の強い動物で、「縄張りをパトロールしたい」という欲求があります。
慣れ親しんだ家の中であっても毎日のように家中を確認しないと、「どこかに外敵がいるのでは?」と不安になって安心できない猫もいます。
そこで、部屋と部屋、部屋と廊下を自由に出入りできるように工夫しましょう。さらに、猫専用の出入り口を設けると効果的です。
大きく安定感のあるキャットタワーを用意する
ラグドールは一般的な猫と同じように高い場所が大好きです。天井まで届く高さのキャットタワーを配置しましょう。
キャットタワー選びのポイントは大きさと安定感です。体の大きなラグドールがのんびりくつろげるように、広くゆったりした台座やハウスを備えた大きなキャットタワーを選びましょう。
また、重量級のラグドールが飛び乗ったり飛び降りても、倒れてきたりグラグラしない頑丈で安定感があることも大切です。木ネジなどでしっかり固定できる天井つっぱり型のキャットタワーがおすすめです。
ラグドールの事故防止に万全の対策を施す
科学的な確証はありませんが、ラグドールは怖いもの知らずの猫と言われています。多くの猫は、よほどの理由がない限りは自分のテリトリーから出ようとしません。
しかし、ラグドールは物怖じしない性格であり、室内飼いをしていても屋外に出たがります。また、高い場所への恐怖心もあまりないので、2階はもとより5~6階くらいのマンションでも窓やベランダから脱走を試みます。
そこで、ラグドールの交通事故や高所からの落下事故を防ぐために万全の対策を施しましょう。特に、玄関やベランダは家人が出入りした際にスルリと外に出てしまうことが多々あります。
大柄なラグドールですが、体はとても柔軟で狭い隙間でも簡単にスリ抜けることができます。玄関やベランダを出入りする際は、近くにラグドールがいないことを確認する習慣を身に付けましょう。
また、夜は暗くて近くにラグドールがいても気付かないことがありますので、鈴の付いた首輪を着けると居場所がわかって便利です。さらに、転落を防ぐために高所のベランダや窓にはネットを張るといいでしょう。
ラグドールを飼う際のポイント
毎日一緒に過ごす時間を確保してたくさんスキンシップを行う
ラグドールは穏やかで人懐っこい性格で飼い主に従順です。ひとり暮らしで仕事や家事でどんなに忙しくても、一緒に過ごす時間を確保しましょう。
ラグドールという名前には、ぬいぐるみという意味があり、その名のとおり抱き上げると抵抗することなく飼い主さんに体を預けます。
一般的な猫は自立心が強く濃密なスキンシップを嫌がりますが、ラグドールは飼い主さんにべったり過ごすのを好みます。たくさんスキンシップを行って猫との距離を縮めましょう。
一回あたりの時間は短くてもいいので、抱き上げたり膝に乗せたりして、たくさん甘えさせてあげてください。スキンシップはコミュニケーションの手段であり、猫のストレス軽減にもつながります。
栄養価の高い食事をラグドールに与える
体が大きいラグドールには、栄養価の高い食事が必要です。また、一般的な猫は生後12か月で成猫になりますが、ラグドールは成長に時間がかかり、完全に成猫の体に成長するまでに4年ほどを要します。
子猫のうちから栄養たっぷりのフードを与えて成長を促しましょう。何よりも欠かせないのは主なエネルギー源であり、皮膚や筋肉の材料となるタンパク質です。
一方で、肥満を防ぐために脂肪の摂り過ぎには注意しましょう。ラグドールに必要なフードの量は、体重と運動量から計算してください。
心臓や腎臓にかかる負担を軽減する
体の大きなラグドールは心臓や腎臓に負担がかかりやすい猫種です。心臓や腎臓に負担がかかると「肥大型心筋症」や「慢性腎不全」の発症リスクを高めてしまいます。
肥満は心臓や腎臓に負担をかけるので、日ごろから食事管理をしっかり行ってください。ラグドールが太ってきたと感じたら低カロリーのダイエット用フードに切り替えましょう。
さらに、心臓の負担軽減にはタウリン、腎臓の負担軽減にはナトリウム、タンパク質、カロリーを控えめにした食事が有効です。ただし、猫は低タンパク質に陥ると健康状態が悪化してしまうので、自分で調整せずに市販の療養食を活用してください。
1日5分でも10分でもいいのでラグドールの遊びに付き合う
体の大きなラグドールは体重増加によって、心臓や腎臓などの臓器、膝関節や腰に負担がかかります。肥満予防には食事管理とともに適度な運動が欠かせません。
とは言え、おとなしい性格のラグドールは「さあ、運動して」と呼びかけても、飼い主さんの体にすり寄ったり、抱っこをねだって甘えたりするばかりで、なかなか自分から運動をしません。
そこで、1日5分でも10分でもいいので、猫じゃらしや羽のおもちゃを使って遊びに付き合いましょう。キャットタワーと組み合わせると効率良く上下運動をさせることができ、足腰が鍛えられます。
定期的にブラッシングを行う
セミロングの被毛を持つラグドールは、短毛種の猫よりも抜け毛が多く出ます。この状態を放置すると毛づくろいの際に飲み込む抜け毛の量が増えて、お腹に毛玉が溜まる「毛球症」を引き起こします。
そこで、定期的にブラッシングやコーミングを行って、抜け毛を取り除きましょう。ラグドールは毛質がサラサラしていて絡まりにくいので、普段は週2~3回、ブラシとコームを入れれば十分です。ただし、被毛が生え変わる初夏と秋は抜け毛の量が増えるので、1日2回、ブラシとコームを入れてください。
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