アメリカンショートヘアの餌のやり方と量について

アメリカンショートヘアの餌のやり方と量について

アメリカンショートヘアは、子猫から成猫になり、やがて老猫になりますが、それぞれで餌のやり方、回数や量は異なります。また、猫に共通した必要栄養素がある一方で、アメリカンショートヘアの性質や体型に合わせた餌の内容や量があるのです。

本稿では、アメリカンショートヘアの年齢別に、一日に与える餌の回数や量、必要なカロリーなどを詳しく解説します。正しい餌のやり方や量を理解して、アメリカンショートヘアの健康維持に努めましょう。

アメリカンショートヘアの餌やりで考えたい最適な栄養バランス

高タンパク質の餌でアメリカンショートヘアの健康を維持する

アメリカンショートヘアはかわいらしい見た目をしていますが、体つきは筋肉質でがっしりしています。筋肉の維持には高タンパク質の餌が不可欠です。

食事から摂ったタンパク質は体内でアミノ酸に分解され、一部は筋肉を作る材料として利用されます。筋肉を構成する細胞は常に新陳代謝を繰り返すので、アメリカンショートヘアの体内に毎日のように豊富なタンパク質を供給する必要があります。

さらに、タンパク質は重要なエネルギー源でもあります。人間は炭水化物を主なエネルギー源にしていますが、肉食動物である猫はタンパク質を主なエネルギー源にしています。

そのため、猫は人間の約2倍のタンパク質が必要です。猫が1日に必要とするタンパク質の量は体重1kg当たり7gです。成猫のアメリカンショートヘアの平均体重は3~6kgなので、量として1日21~42gのタンパク質が必要です。この量を毎日摂取できるよう餌のやり方を考えましょう。

アミノ酸のバランスに配慮する

アメリカンショートヘアの餌やりで考えたい高タンパク質とアミノ酸のバランス量
アメリカンショートヘアの健康維持にはアミノ酸のバランスが重要です。11種類の「必須アミノ酸」は、体内で生合成できないので餌から摂る必要があります。

特に、タウリンとアルギニンが欠乏すると重篤な症状につがります。タウリンは視力の維持や心臓の働きに欠かせないアミノ酸であり、欠乏すると失明に至ったり、「拡張型心筋症」の原因にもなります。また、アルギニンはアンモニアの排泄に欠かせないアミノ酸であり、欠乏すると重篤なアンモニア中毒を引き起こし、死に至ることもあります。

このほか、アメリカンショートヘアに十分な量の必須アミノ酸を供給する必要がありますが、タンパク質を構成するアミノ酸の種類は、タンパク質源によって異なります。アメリカンショートヘアが同じタンパク質源ばかりを食べていると、体に必要な11種類のアミノ酸の量やバランスが偏ってしまいます。

そこで、肉、魚、卵、乳製品などタンパク質源の種類が豊富なフードを選びましょう。これらを餌からアメリカンショートヘアに摂らせる際は、偏らないように複数のタンパク質源を組み合わせるようにしてください。

低脂肪の食事でアメリカンショートヘアの肥満を予防する

低脂肪の食事でアメリカンショートヘアの肥満を予防する

アメリカンショートヘアは、もともとねずみ捕り用の猫として活躍していました。しかし、現代のアメリカンショートヘアはねずみを捕る必要がないうえ、室内飼いの影響で運動量が少なくなっています。

運動量が少ないのに高脂肪の食事を摂っていると、余ったエネルギーが体脂肪として蓄積されて太ってしまいます。そこで、アメリカンショートヘアには低脂肪の食事を与えて肥満を予防しましょう。

しかし、脂肪はエネルギー源としても利用されますから、摂取量を減らしすぎてもいけません。猫が1日に必要とする脂肪の量は体重1kg当たり2.2gです。成猫のアメリカンショートヘアの平均体重は3~6kgなので、量として1日6.6~13.2gの脂肪が必要です。この量を毎日摂らせるように餌のやり方を考慮しましょう。

不飽和脂肪酸でアメリカンショートヘアの皮膚の健康と美しい被毛を維持する

脂肪は、皮膚の健康とアメリカンショートヘアの美しい被毛の維持に欠かせない脂肪酸の供給源です。アメリカンショートヘアを太らせたくないからと必要な脂肪の量まで餌からカットしてしまうと、皮膚が乾燥しやすくなり、毛並みが悪くなります。

そこで、積極的に摂らせたいのが青魚や植物油に含まれている「不飽和脂肪酸」です。特に、植物油に多く含まれるリノール酸、動物性脂肪に多く含まれるアラキドン酸は、アメリカンショートヘアを始め猫の体内で生合成できない「必須脂肪酸」であり、餌から摂る必要があります。

さらに、リノール酸からは猫の皮膚と被毛の健康維持に欠かせないγ-リノレン酸が作られます。ほかにも植物油に多く含まれるα-リノレン酸には、皮膚のバリア機能を維持して乾燥を防ぐ働きがあります。

餌に含まれる脂肪の量に配慮しながら、不飽和脂肪酸を摂らせ、アメリカンショートヘアの皮膚の健康と美しい被毛の維持に努めましょう。

体に負担をかけないようにミネラルバランスや量に配慮する

アメリカンショートヘアに負担をかけないミネラルバランスと量
ミネラルは生理機能の維持に欠かせない成分ですが、摂取量が多すぎても少なすぎても猫の体に悪影響があります。猫に与える餌のミネラルバランスや量に配慮して、猫の体に負担をかけないようにしましょう。

アメリカンショートヘアの場合、特に気をつけたいのがマグネシウムとナトリウムの摂り過ぎです。マグネシウムの摂取量が多すぎると「尿結石」といった尿路障害の発症リスクを高めてしまいます。マグネシウムは体に必要な成分ですが、餌として与える多くの食材に含まれているので、量が不足する、あるいは欠乏することはまずありません。

ところが、ほとんどの猫が毎日のように食べるドライフードにはマグネシウムの量が比較的多く含まれています。餌として与えるドライフードは、マグネシウムの含有量を0.1%以下に抑えたものを選びましょう。

また、ナトリウムを摂る量が多すぎると腎臓に負担がかかってしまいます。タンパク質中心の食生活を送る猫は、もともと腎臓に負担がかかりやすく、加齢によって腎臓機能が少しずつ低下していきます。

特に、アメリカンショートヘアは「急性腎不全」になりやすいとされています。ただでさえ腎臓に負担がかかっているところに、ナトリウムの摂取量が多いとさらに腎臓が疲弊してしまいます。

猫は人間よりもずっと体が小さく、ナトリウムが欠乏することはまずありません。塩分を多く含む加工食品や人間向けに味付けされた料理を与えるのは止め、高齢猫には低ナトリウムのフードを餌として与えてください。

アメリカンショートヘアに与えるフードの量と回数

アメリカンショートヘアに与えるフードの量と回数

子猫は量を気にせず、好きなだけ食べさせて構わない

アメリカンショートヘアの子猫は成長に多くのエネルギーが必要です。子猫が1日に必要とするカロリー(熱量)は以下のとおりです。

1日に必要なエネルギー(kcal/kg)

8週齢 260
14週齢 200
20週齢 150
40週齢 100
52週齢  80

生後2ヶ月の子猫が1日に必要とするカロリーは体重1kg当たり200kcal、成猫の約3倍です。生後6か月の子猫は成猫の約2倍のカロリーが必要です。

アメリカンショートヘアは太りやすい猫種とされています。しかし、子猫は成長に多くのエネルギーが必要であり、たくさん運動してカロリーを消費しますので、好きなだけ餌を食べさせて構いません。

また、生後6か月まではフードを盛ったお皿を常に出し、いつでもアメリカンショートヘアが餌を食べられるようにしておきましょう。なお、子猫は胃が小さいので1日に必要な量を3~5回に分けて与えてください。

成猫はフードの与えすぎに注意する

成猫のアメリカンショートヘアは、餌やおやつを食べすぎるとすぐに太ってしまいます。おやつについては、その愛らしさからついつい与えすぎてしまうかもしれません。しかし、肥満になると血糖値が上がりやすくなり、インスリンが効きにくい状態になることで「糖尿病」につながります。

さらに、アメリカンショートヘアの心臓や腎臓に負担がかかり、心臓疾患や腎臓疾患の発症リスクを高めてしまいます。餌のやり方や量に注意して、肥満予防に努めましょう。

猫が1日に必要とするカロリーは体重と運動量で異なります。フードの量はカロリーを基に計算してください。成猫が1日に必要とするカロリー(熱量)は以下のとおりです。

1日に必要なエネルギー(kcal/kg)

不活発な猫  70
標準的な猫 80
活発的な猫  85
妊娠中の猫 100
授乳中の猫 250

アメリカンショートヘアの平均体重は3~6kgなので、1日に必要なカロリーは240~480kcalになります。成猫は、このカロリーに相当する量のフードを餌として1日2~3回に分けて与えてください。

老猫は体重と運動量を見て餌の量と回数を調整する

猫は一般的に10歳から老猫とされますが、7歳ごろから少しずつ老化が始まります。老化によって足腰が弱くなると、運動が億劫になり、寝ている時間が長くなります。

若いころよりも運動量が減っているのに昔と同じ量の餌を食べていると、消費カロリーが摂取カロリーを上回って肥満につながります。

体に負担がかからないように、アメリカンショートヘアの年齢が10歳に近くなったら少しずつ高齢猫向けフードに切り替えましょう。老猫が1日に必要とするカロリーは成猫と同じです。体重と運動量を見て餌の量と回数を調整してください。

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