犬・猫も人と同じように目の奥がだんだんと白濁し、進行すると失明することもある病気が白内障です。
えっ!犬・猫にも白内障ってあるんだ。
と、思った方もいるのではないでしょうか?
今回は、大切な家族である犬・猫が高齢になった時に気を付けたい病気の白内障についてご紹介します。
白内障とは?
白内障とは、目の中にある水晶体と呼ばれる目のレンズ部分の一部、進行するとレンズ全体が白く濁り、だんだんと視力が低下する病気です。
水晶体は、本来透明な球体ですが、白く濁る事により、犬・猫の視界がぼやけて霧がかかっている中をずっとさまよっているような状態となります。
白内障の症状
白内障の進行は、犬・猫の個体によって差が激しいことが特徴でもあります。
飼い主が気が付いた時にはほぼ見えない状態になっていた。
なんて事も少なくはありません。
初期白内障
初期症状の時には、飼い主の顔が見えにくい。物がぼんやり見える。
などはありますが、犬・猫は嗅覚や聴覚が優れている為、特に変化はみられません。
この状態の場合、飼い主は、気が付きにくい症状です。
初期症状段階で、たまたま動物病院に来院し、運よく眼科検査で発見されたらラッキーと思ってください。
飼い主自身が見つけるのは、難しい状況です。
未成熟白内障
少し進行すると、水晶体の一部が白濁した状態となり、飼い主が見ても目の白濁に気付くと思います。
この状態になると、視野が曇り飼い主の距離感が分からなくなるだけでなく、歩行がぎこちなくなる、物や柱などにぶつかる、以前までは驚かないものに驚いたり、臆病になったりします。
この段階で治療を開始することが出来れば、失明は免れることが多いでしょう。
成熟白内障
水晶体全体が、完全に白濁してしまった場合は、失明することもあり得ます。
また、白内障の進行に伴い、緑内障、水晶体脱臼やブドウ膜炎などの痛みや眼圧が上がる眼疾患を続発することもあります。
目が完全に白濁してしまう症状になると、治療や手術も難しくなります。
かかりつけの獣医師と犬や猫の様子を見て治療を決めましょう。
白内障になる原因は?
白内障は、高齢にならないと病気にならないと思っていませんか?
白内障になる原因は、3つもあり、若くても白内障になるリスクはあります。
先天性白内障
犬・猫が生まれる前から白内障が始まっていることがあります。
諸説ありますが、母犬・母猫のお腹の中にいる時から水晶体の白濁が始まっているともいわれています。
先天性白内障の犬・猫は、生後3ヶ月ほどで白内障らしい白濁が見られることもあります。
後天性白内障
加齢に伴う老化が白内障の発生原因の1番です。
その他外傷、中毒、糖尿病などの代謝性疾患によるもの、網膜症、ブドウ膜炎などの目(水晶体)に影響を与える他の病気によっても発症します。
犬の場合は、全てに当てはまりますが、猫の場合は、外傷や糖尿病により白内障が発症する傾向が多くあります。
遺伝性白内障
先天性や後天性とは全く異なり、若い年齢(7歳以下)で発症する白内障は、遺伝的素因が強く、発生してからの進行も早いと言われています。
遺伝的素因がある犬種
- プードル
- 柴犬
- ビーグル
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- マルチーズ
- ミニチュア・シュナウザー
- シーズー
- ボストン・テリア
遺伝的素因がある猫種
- ペルシャ
- ヒマラヤン
- バーマン
上記の犬種・猫種と一緒に暮らしている人は特に気を付けてあげましょう。
白内障の治療
白内障の治療は、内科的治療と外科手術の2種類から進行症状により選びます。
内科的治療
初期の段階、または水晶体全体に白濁が進んでいない場合は内科的治療になることが多いと言えます。
点眼や内服薬を使用しますが、これらの薬を飲む、点眼することによって白内障が完治する事はありません。
あくまで病気の進行を遅らせるだけになります。
外科手術
白内障が進行し、失明している場合や僅かしか見えていない場合、若年齢の場合は外科手術を行う選択肢もあります。
外科手術の場合、水晶体を超音波の振動で細かく砕いてから吸引します。
その後、水晶体の代わりに眼内レンズを眼の中に入れます。
ただ、網膜萎縮が発症している場合は白内障の外科手術を行っても見えない状態のままです。
白内障の外科手術を行うことが決定した場合は、手術前に必ず網膜萎縮の検査を受ける必要があります。
白内障の外科手術を受ける平均年齢は、5~6歳です。
白内障の外科手術を行う場合の費用は、1眼30~80万円前後です。
動物病院により異なります。
白内障にならないために
白内障の予防は難しく、原因もまだはっきりと解明されていません。
ただ、目に負担をかけないようにすることは重要です。
- 目ヤニや涙が出ていた場合はすぐに拭く。
- 日差しが強い時間帯のお散歩はしない。(犬)
- 目の中に毛やホコリが入らないように注意する。
- シャンプーをする時にシャンプーやシャワーが目の中に入らないように気を付ける。
- 外に行く時は、犬用の帽子やサングラスをかける。
まとめ
若年齢でも発症することが多い白内障、治療をする時は獣医師に相談することも大切ですが、一緒に暮らしている犬や猫の事を1番に考えて納得のいく治療を行ってくださいね。
また、白内障が進行しているが、老犬、老猫で外科手術は出来ない。
などの場合は、家の家具の配置の変更はしない。
ぶつかっても怪我をしないように、家具にタオルを巻く。
などの工夫をしてあげましょう。
愛犬や愛猫の様子が少しでもおかしいと感じた場合は、様子を見るのではなく動物病院へ行きましょう。
コメント