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経営者取材

社長取材#9, 犬猫生活株式会社 佐藤淳

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PT編集部

今回は一般財団法人 犬猫生活福祉財団も運営されている犬猫生活株式会社 代表取締役 佐藤淳様を取材させて頂きます。佐藤社長、本日はよろしくお願いいたします!早速ですが、どのようなペット事業を行っているのでしょうか? 

ペット事業の内容

弊社は、「全ての動物とその家族の幸せの生活のために。」を理念に、事業を展開しています。

主に3つの事業を行っております。
1つめが「物販」です。プレミアムペットフードを中心に総合栄養食のドライフードからスタートして、サプリメントやおやつ類も展開しています。ペットフードは国産・無添加・ヒューマングレードの3要素にこだわり、人間向けに流通している食材を主原料にしています。今後は雑貨類も含めてわんちゃんねこちゃんの生活を支える商材の展開も検討しております。
2つめが「サービス」です。主には動物病院とトリミングサロンですね。この2つは、離職率の高さや、それによる人手不足が課題になっていますよね。飼い主さんやわんちゃんねこちゃんの生活をサポートするのはもちろんのこと、働く方も気持ちよく働ける体制を作り、持続可能な事業にしていきたいと思っています。具体的には1年ほど前に【犬猫生活往診クリニック】を立ち上げておりまして、今後もクリニック事業を拡大していく計画です。
3つめが「エンタメ」です。わんちゃんねこちゃんと生活するうえで楽しさは欠かせないと思っています。「わんちゃんと一緒にお出かけしたいけど、お出かけできる先がない」という声をよく聞くので、昨年よりイベントに力を入れ始めました。今後は、イベントに留まらず、旅行やドッグランなど、他社さまとの協業も含めて幅を広げていきたいですね。

犬猫生活株式会社 ペットフード

— 昨年(2024年)GWに大きなイベントを開催していましたよね?

そうですね。表参道で開催しました。実は初の自社イベントだったのですが、1日限定イベントに1,000人以上が来場してくださり、物販で出店してくれた18ブース中8ブースが初出店のブランドでした。かつ、わんちゃんの譲渡会で9匹の譲渡が決定し大盛況となりました。イベントはお客様はもちろんスタッフも楽しめますし、今後も力を入れていきたい事業ですね。

もう1つ弊社の大きな特徴は一般財団法人犬猫生活福祉財団を設立した事です。別の法人として運営しているのですが、ペット事業と財団の二軸で成長を志向しています。

— 寄付ではなく、自ら財団も設立されている会社は珍しいですね!
財団はどのような経緯で立ち上げられたのですか?

もともと会社を立ち上げたキッカケがねこちゃんの保護でして、「そういう子たちをなんとかしていきたい」と以前から思っていました。最初は会社の利益の一部を保護団体さんに寄付しようと思っていたのですが、自分たち自身が中に入ることでやれる事がもっとありそうだなと思い、事業と財団の2軸で成長できるモデルを作ろうと考えました。事業からの寄付で財団を大きくして、動物福祉の向上という公益に資する取り組みを行うブランドとして会社もより社会から信頼していただけるような、両者が好循環で大きくなっていくモデルですね。

また、保護シェルターやスペイクリニック(ねこちゃんを不妊去勢する病院)を運営しているのですが、自分たちで活動をしていると、「他の団体さんもここ困っているだろうな」というような課題もより把握できます。他にも助成金を提供することで、他の団体さんをサポートしていく事も行っていますよ。

犬猫生活株式会社 ペットフード 一般財団法人犬猫生活福祉財団

— ちなみに貴社の財団への寄付額が事業利益の20%と、非常に高いと思うのですがそこには何か理由があるのですか?

社会に対してインパクトがあるモデルにするために、このモデルを考えた際に掲げた目標は、【上場企業の中で日本一の社会貢献をしている会社】になることです。東洋経済社が「CSR企業総覧」を定期的に出されており、そのランキング(①寄付額➁利益に対しての寄付率)を見たときに、寄付率が1%超ですとTOP50に入り、1位でも10%台ですので、20%であれば私たちが1位になれると考えました。

— 佐藤社長の並々ならぬ本気度を感じますね…。
そんな佐藤社長ですが、どのような経緯で社長になられたのでしょうか?

社長になるまでの経緯

2つの観点でお話します。1つめは「なぜ自分でやったか」。2つめは「なぜペット業界か」。
まず1つめですが、もともと大学のインターンでECの会社で働き、ECのおもしろさに魅せられ大学卒業後はECコンサルの会社を作ってやっておりました。そこで4年くらい会社を経営するうちに、このままでは、自分の知識が大きくならない、ある程度儲けることはできますがそれでは面白味がないと思いました。社会にインパクトを出せるような大きい事業をやりたいと思ったんです。そういった想いからオイシックスという会社に入って修行をし、その後に現在の犬猫生活株式会社の立ちあげに至りました。
2つめの「なぜペット業界か」というところは、好きな事ややりたい事をやりたかったからです。会社なので当然「儲かるか儲からないか」という事は大事ですが、それだけではモチベーションが続かないんですよね。なので、やはり好きな事ややりたいことを大事にしようと。それが結局伸びることにつながりますので。食の分野が好きでオイシックスに入社した事や、オイシックス時代に保護したねこちゃんとの出会いなどが重なって、日本の食の技術力や食材の力を活かしてペットフードを作れたらいいなと思い、ペット業界に参入しました。

—社長が保護されたねこちゃんに出会わなければ今はなかったという事でしょうか?

そうかもしれませんね。実は幼少期はずっとわんちゃんと暮らしていたので犬派だったのですが、妻が猫派で現在一緒に暮らしているねこちゃんの保護に至り、一緒に暮らす中で私も猫派になりましたね(笑)。保護したねこちゃんが、後から分かったのですが、実は妊娠しており、現在母猫と子供猫2頭の合計3頭と暮らしています。母猫は絶対的な権力があり、いつも高いところに座っていますね(笑)。

犬猫生活株式会社 ペットフード 一般財団法人犬猫生活福祉財団

人生を変えた経験

1つで大きく変わった経験はありませんが、1つ1つの細かい経験が少しずつ影響しているなと思います。例えば、大学の時にビジネスコンテストを運営するサークルに入ってビジネスを学んだり、起業している先輩が身近にいたりですとか。あとは大学時代にインターンで働いていた時のコンサル先がオイシックスで、そういったご縁もあり後にオイシックスに入社した事なども大きな経験となっています。

経営者として大事にしているポイント

2点あります。
1点目は誠実である事です。「正しい事をする」や「正しさ」は会社としても個人としても大事にしている観点です。
2点目は人です。会社はやはり「人」だと思います。事業が伸びるかどうかも人次第だと思っているので、いい人を採用して、その人たちがちゃんと活躍できる環境を整えていく事を大事にしていますね。

— 「会社が人」だと思われたキッカケは何かあるのでしょうか?

ビジネスアイデアを考えたり、事業を始めることは誰でもできますが、アイデアや事業内容の良し悪しよりも「誰がやるか」「やり切ったか」というところが成功の分かれ道だとずっと感じています。同じことをやっていても人次第で成功するかしないかは変わりますので、人は非常に重要です。

— 大学時代から色んなビジネスを見てこられた佐藤佐長だからこその貴重なご意見ですね。ありがとうございます。
続いての質問ですが、佐藤社長が一緒に働きたい人材はどのような方でしょうか?

一緒に働きたい人材

「誠実さ」は1つのキーワードですね。実は1度社名を変更しておりまして、犬猫生活株式会社の前はオネストフード株式会社でした。オネスト(honest)は正直・実直・誠実という意味ですよね。実はこの誠実さが好きな事にはキッカケがありまして…。ビリー・ジョエルの『Honesty』という曲があるんですよ。知らないですよね?(笑)

— (笑)。存じ上げずすみません!

いえいえ、大丈夫ですよ(笑)。彼は御年75歳でして、この曲は中学校の英語の授業で知りました。歌詞の内容としては「誠実さは世の中から聞かれなくなってしまったけど、誠実さこそ僕の求めているもの」といような内容だったかと記憶していますが。この曲に感化されて社名にオネストとつけた次第です。

— ちなみにオネストフード株式会社から犬猫生活株式会社に社名をご変更されたのはなぜですか?

ペットケア事業を幅広くやっていきたい中で、オネストフードだとフード専門の会社名になってしまうと思ったんです。また、ペットフードで国産をおしているので、日本語の方がイメージに合うと思ったという事もあります。

— 財団も立ち上げられているように、「誠実さ」は佐藤社長の中で非常に大きな要素だったことがわかりました。
最後の質問となりますが、佐藤社長の今後のペット事業の展望はどのようなものでしょうか?

犬猫生活株式会社 ペットフード 一般財団法人犬猫生活福祉財団

ペット事業の展望

ビジネスは世の中や人の課題を解決して、それを継続的にできる状態にもっていく仕組みだと思っているので、これからも課題を解決していきたいです。ペット業界にも色んな課題があり、食事の部分は改善されてきましたが、動物病院やトリミングサロンの人手不足の問題やわんちゃんと遊ぶ先がない問題を社会的インパクトを及ぼせる規模で改善していきたいですね。

もう1つはペット事業を海外に発信していきたいと思っています。日本を盛り上げたいです。海外に対する日本の優位性を考えた時に「食」「サービス」がありますので、ペットフードの「食」とトリミングサロンや医療系などの「サービス」を海外に出していきたいです。ちなみにペットフードは近々台湾でリリースする予定で、その後はアメリカも加えてまずはこの2か国で海外展開をしようと思っています。海外では日本食人気がありますが、ペットに対しての日本食のイメージはまだ浸透していないので、「日本の技術や素材を使ったペットフードだからここがいいんです!」という事をアピールしていきたいですね。

— 佐藤社長のビジネスの定義は非常にかわりやすく勉強になりました。
本日は貴重なお話をお聞かせ頂きまして誠にありがとうございました。

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