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猫がけんかをする理由とは? 縄張り争いの予防と止めさせ方

なぜ猫は、けんかをするのか?

猫は単独で生活する動物

街を歩いていると、けんかをしている猫を見かけることがあります。また、多頭飼いのお家では同居猫同士でけんかになることがあるでしょう。なぜ猫はけんかをするのでしょうか? それは猫が単独で生活する動物だからです。

猫とよく比較される犬とは、この部分が決定的に異なります。犬は集団で生活し、群れの中には上下関係があります。対して単独で生活する猫には明確な上下関係の概念がなく、しばし食事や繁殖相手を巡ってけんかが起こります。

猫は縄張りを作って生活している

なぜ猫は、けんかをするのか?猫は縄張りを作って生活している
動物の本能は、食べること、寝ること、子孫を残すことです。集団で生活せず明確な上下関係がない猫は、生きていくために自分のテリトリーが必要です。テリトリーとは縄張りのことであり、食料や寝床を確保する場であり、子孫を残す繁殖の場でもあります。猫がテリトリーをもつのは母猫から独り立ちした後です。

生後6か月までの子猫は母猫と一緒に過ごします。生後6か月を過ぎると子猫は少しずつ単独行動をするようになり、やがて、母猫の縄張りを出て、自分の縄張りを作るようになります。これには近親交配を避ける意味もあります。

けんかの原因は縄張り争い

独り立ちした猫が縄張りを作るようになったら、今度はよその猫に縄張りを奪われないように守らなければなりません。縄張りを守れないと食事も睡眠もままならなくなるので、猫は自分の縄張りによその猫が侵入するのをとても嫌います。

特に、オス同士のけんかはほとんどが縄張り争いが原因です。猫の世界は平等ではなく、縄張りの広さは猫の強さに比例します。強い猫はさらに縄張りを広げようと、よその猫の縄張りに侵入してけんかをしかけることがあります。

なぜなら、よその猫の縄張りには自分が普段会うことのないメスがいるからです。オスにとって縄張りを侵略されるのは繁殖相手を奪われることであり、子孫を残すために負けられないのです。

室内飼いでもけんかは起こる

けんかの原因は縄張り争い。室内飼いでもけんかは起こる
けんかをするのは何も外で暮らしている野良猫ばかりではありません。室内飼いの猫にとっての縄張りは家の中であり、同居猫同士でけんかになることがあります。

外の猫に比べて、ずっと狭い縄張りを複数の猫で共有するのは、自然界では滅多にないことです。

もちろん外の猫も縄張りの中に複数の猫が暮らしています。ひとつの縄張りには、ボス猫を頂点に従属しているオス猫や繁殖相手のメス猫が何匹も暮らしています。大抵は力関係がはっきりしているのでけんかになることはありません。

しかし、多頭飼いの家では縄張りが狭いうえに、猫同士の力関係が曖昧であり、寝場所や食事を巡ってけんかになることがあります。

猫は力関係を決めるためにけんかをする

猫同士の力関係は、けんかによって決まります。力関係がはっきり決まっていれば、同じ縄張りを共有できるのでけんかになりません。

また、力が互角な場合は、けんかをしても決着がつかないので無視し合う関係になります。子猫のころから一緒に暮らしていた猫同士も、けんかによって少しずつ力関係が決まっていきます。

猫のけんかのルール

では、猫のけんかの勝敗はどのように決まるのでしょうか? 実は猫には単純な腕力の強さでは計れない優劣があります。けんかになったとき、多くは優勢な猫が勝ちます。

猫は自分の縄張りの中では強気

「けんかなのだから、力が強いほうが勝つだろう」と考える方が多いでしょう。しかし、猫は縄張り意識が強い動物です。相手が自分よりも力が強かろうが、勝手知ったる自分の縄張りでは強気でいられます。なぜなら、近くには餌場があり、安心できる寝床があるからです。

人間のけんか=戦でも同じことが言えるのではないでしょうか。城にこもる側は、堅固な城壁や堀、兵糧の蓄えがあるからこそ、敵よりも兵の数が少なくても戦うことができます。

猫もそれと同じで相手がどんなに強そうでも、自分の縄張りにいる限りは有利に戦うことができる、つまり優勢なのです。

縄張りの外に出ると弱気になる

飼い猫の場合は、家の中に侵入してきた猫には勝てても、外に出て行くとけんかに負けることがあります。なぜなら、縄張りの外は、どこに敵がいるのかわからないアウェーだからです。

ですから、縄張りの中では強気でいられても、縄張りの外に出ると弱気になります。逆に言えば、相当な自信がないと、よその猫の縄張りを侵略しようとはしないのです。

高い位置にいる猫ほど順位が上

猫のけんかのルール。猫は縄張りの中では強気であり、高い位置にいる猫ほど上
かつて野生の猫は猛獣や犬に襲われにくく、かつ獲物を見つけやすい木の上で暮らしていました。それゆえか、猫は高い所に上がると落ち着きます。そして、おもしろいのは高さが数少ない猫の上下関係の表れであることです。

多頭飼いの家では、猫によって寝る場所の高さが違うことがありますが、高い場所にいる猫ほど順位が上であり、けんかになったとき、強いと言われています。力で勝る猫にけんかをしかけられても、高い所を譲らなければ平気なのです。

けんかの勝敗は優劣で決まる

けんかの勝敗は先ほどから解説しているとおり、出会う場所や状況によって変わる優劣で決まります。力の強い猫が必ずしも勝つとは限りません。

例えば、自分の縄張りでは強さを誇っていても、一歩縄張りの外に出ると怖気づいてけんかになるとすぐ逃げ出してしまう猫もいます。

背中を見せた猫が負け

猫のけんかは、にらみ合いから始まります。このとき、大きな鳴き声や背中を高くするポーズで相手をけん制する猫がいますが、これは自分を強く見せるためのはったりです。優勢な猫は大げさな動作をせず、悠然と構えています。

猫のけんかの勝敗を決めるパターンはいくつかありますが、そのひとつは、にらみ合いであり、最初に目を逸らした猫が負けです。勝てないと思った猫は後ずさりしながら、ゆっくり立ち去っていきます。

にらみ合いで勝敗が決まらないと、横腹を見せながら少しずつ相手との距離を詰めていきます。そして、取っ組み合いのけんかになり、勝敗が決すると負けた猫は背中を見せて立ち去ります。勝った猫は後を追いかけません。

一度勝敗が決まると以後はけんかになることはなく、弱いほうの猫は強いほうの猫となるべく一緒にならないようにして過ごします。

けんかの止めさせ方

けんかの止めさせ方。にらみ合いの段階でお互いを引き離す

にらみ合いの段階でお互いを引き離す

同居猫同士のけんかは取っ組み合いに発展すると引き離すのが大変です。にらみ合いの段階でお互いを引き離し、しばらく別々の部屋で過ごさせましょう。

なお、興奮しているので無理になだめるのは逆効果です。時間が経つと冷静さを取り戻すので、それまでそっとしておきましょう。

取っ組み合いのけんかになったら足で引き離す

もし取っ組み合いのけんかに発展してしまったら、興奮が最高潮に達しているので人間の声など耳に入りません。怒鳴っても大きな音を出しても無駄です。

だからといって放置していると、かみついたり引っかいたりしているうちに、けがをするおそれがあります。何とかして引き離す必要がありますが、手を出すとこちらも巻き添えになって流血の惨事になります。

そこで、取っ組み合いをしている2匹のお腹のあたりに足を差し込んで、スペースを作ってから両手でお腹を抱えるようにして引き離すと血を見ることなく済みます。

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