人畜共通感染症(ズーノーシス)の中で、最も恐ろしいとされる感染症、狂犬病は、4~6月に予防のためのワクチンを愛犬にうつべきと推奨されています。
日本では、狂犬ウイルスが発症されなくなって約70年。
未だに海外では、沢山の犬と人、猫、その他沢山の哺乳類の動物たちが亡くなっています。
では、狂犬病ウイルスに感染すると、どのような症状がでるのでしょうか?
狂犬病の感染ルート
狂犬病は、狂犬病ウイルスを保有する犬、猫やコウモリ、キツネなどを含む動物に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からの侵入、濃厚なウイルスをもつ人同士の気道粘膜感染により感染します。
狂犬病ウイルスに感染すると、致死率はほぼ100%です。
人は隔離され、動物は殺処分対象となります。
潜伏期間は、約2週間~2ヶ月と言われていますが、稀に2~3年ほどの潜伏期間を経て発症する場合もあります。(人の場合は、約1~2ヶ月)
狂犬病に感染すると症状は、3つの期間に区別されます。
狂犬病の症状
前駆期(ぜんくき)
部屋や同じ場所を歩き回る、徘徊することが増えます。
また、性格が180度変化することも特徴的で、人に慣れなかった犬が人に対して尻尾を振り友好的になることや、人が大好きで人懐こい犬が人に対して怯えたような症状になることがあります。
動かない机や石、椅子などの通常どこにでもあるものに噛みついたり、何も見えないものに突然威嚇をします。
それだけでなく、コンクリートの地面を掘り続けるようなしぐさをする、狼のような遠吠えを何度も繰り返す、異常行動が見られます。
水に対して、異様に怯えるようなしぐさが前駆期の特徴です。
発熱や食欲不振もあらわれることから風邪の症状と誤解されがちです。
狂躁期(きょうそうき)
過剰な興奮と凶暴性が見られます。
異物(糞や小枝、小石など)を食べたり、飲み込むような明らかにおかしい行動が増えます。
むやみやたらと吠える、人や無機物に攻撃する、目に映る物すべてに唸ると、まさしく狂犬の症状となります。
この狂躁期(きょうそうき)の症状が1番危険です。
最も咬傷事故が多く、飼い主のことさえも認識しなくなるようです。
(人も同様、泣き叫んだり、無機物を食べるような異常行動や、攻撃的になるような症状が見られます。)
この狂躁期(きょうそうき)は、2~4日ほど続いた後、麻痺期(まひき)に移行します。
麻痺期(まひき)
全身の痙攣、嚥下困難、昏睡などの麻痺(まひ)症状となります。
麻痺症状後、1~2日で死亡します。
狂犬病に感染すると、80~85%が狂躁期で亡くなることが多く、この時期に最も攻撃性が強くなります。
日本で狂犬病に感染することってあるの?
約65年間、日本国内での狂犬病ウイルスは確認されていません。
しかし、日本と並び、狂犬病清浄国だったはずの台湾で、52年ぶりに狂犬病が発症したケースもあります。
感染ルートは原因不明のまま、215頭のイタチアナグマに感染が確認されています。
ただ、愛犬と海外旅行をすることが珍しくない現在、何らかのかたちで狂犬病ウイルスが日本に持ち込まれることもゼロではありません。
まとめ
「犬だけでなく、人や猫も感染する狂犬病ってどんな病気?感染するとどんな症状がでるの?」はいかがでしたか?
狂犬病の予防ワクチンは、犬を飼う人の義務です。
どんなタイミングで、日本に入ってくるか分からないからこそ、気を付けたいものですね。
著者:miki.m
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